九州企業の衰退・勃興 平成を振り返る(11)
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いざ鎌倉、さあ東京へ
福岡で培ったノウハウをもって東京に上る。東京で上場して躍進した企業が数多くあるが、その成功の実例がアパマングループ、シノケングループであろう。アパマン大村浩次代表は郷里への恩返しとしてアビスパ福岡の再生に踏み込んだ。悪辣なのは(株)TATERU。東京に進出し、木造アパート売りをIT駆使で目先を変えて業績急伸させた。だが実体は既存業者と何ら変わらないことが判明する。業績は急転直下。
医療・福祉業界でも福岡勢が大活躍。医療業界では和白病院(カマチグループ)はもう福岡地区には関心がない。(一社)巨樹の会は東京で積極的に病院展開を行っている。渋谷区原宿にあった旧キリンビール本社を買収。すかさず日本最大規模の303床(現在332床)の原宿リハビリテーション病院を開院した。最近では東芝病院を引き取ったことでも話題騒然となった。現在のグループ総スタッフが1万人を超えたそうである(年商1,000億円)。
大川市にある高木病院=(医)高邦会グループは、千葉県成田市に認可を受けて医科大学を開業。看護専門学校も併設しており、人材確保には抜かりがない。福岡市中央区薬院にある逓信病院を掌握する。「徳洲会に続け、追い抜け」と号令を発しているとか。
時流をつかむ産業の育成
外国人たちの往来は年中、途切れることがない。最近では白人、アメリカ・ヨーロッパからの観光客が目立ち始めた。旅行の傾向は流行り廃りが厳しい。客船による中国人向けのビジネスも一瞬にして変化する。中国人事業家たちが急成長・成功した例も数多くある。
民泊ビジネスも今からが盛りであろう。弊社の裏側にあるオフィスビルがホテルに改造された。「商売になるのか?」と不安を抱いていたが、外国人観光客たちがトランクを転がして押しかけている光景を目撃して一安心した。観光業の隆盛は世界平和にかかっている。米中激突が収まることを望む。
やはり福岡においては、IT関連事業の戦略的育成が重要であるが、立ち遅れ気味といえる。(株)システムソフトが源流であるゲームソフトは、今や(株)レベルファイブなどに伝授されている。しかし、この世界も一夜にして激変。やはりITソフト産業は産学・行政・民間一体となって育成していくしか方策はないだろう。この領域は立ち遅れているといえる。
(つづく)
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