大豆摂取で慢性閉塞性肺疾患の予防・低減効果を確認
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大阪市立大学の研究グループが、大豆などに含まれるイソフラボンが肺気腫や慢性気管支炎などの「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の予防効果を有することを明らかにした。
COPDは、主に喫煙やたばこの煙が原因とされ、進行すると咳や痰、息切れなど呼吸困難性肺疾患を引き起こす。WHO(世界保健機関)の報告によると、COPDは世界の死因第3位の疾患で、日本では約500万人以上が罹患。現時点では有効な治療法はなく、予防が肝要とされている。
試験は同大大学院医学研究科 呼吸器内科学の浅井一久准教授および川口知哉教授らの研究グループが行い、マウスを2群に分け、1日1時間、計12週間にわたってたばこの煙を吸わせ、餌としてニチモウバイオティックス(株)が提供した麹菌発酵大豆胚芽抽出物「AglyMax®(アグリコン型イソフラボン)」の添加の有無によるCOPD病態におよぼす影響を検証した。
その結果、麹菌発酵大豆胚芽抽出物を添加した餌を与えたマウス群のほうが、添加していない餌のマウス群に比べ、気管支や肺胞の炎症や、肺気腫の進行抑制が確認され、大豆由来イソフラボン摂取によるCOPD予防効果のメカニズムの一端を解明した。
試験を行った浅井一久准教授は「COPD治療は、気管支拡張薬などを用いてCOPDに冒されていない肺の部分を有効に活用する治療にとどまっている。今回の結果は大豆イソフラボンが持つ抗炎症作用により、COPD予防をはたすことを明らかにしたもので、今後のCOPD治療確立に向け、重要な知見であるといえる」としている。
同研究成果は、8月29日に国際科学誌「Nutrients」のオンライン版に論文掲載されている。
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