2024年11月23日( 土 )

九州地銀の2020年3月期の当期純利益(予想)を検証する (前)

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【表1】を見ていただきたい。九州地銀18行(含むFG・FH)の決算単信および四半期決算発表日の推移表である。

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~この表から見えるもの~
◆【表1】の通り、19年3月期の決算単信を最初に発表したのは、筑邦銀行と山口FG傘下の北九州銀行の2行で、5月10日(金)。
・翌週13日(月)はふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)。十八銀行。大分銀行。南日本銀行の6行。
・14日(火)は西日本FH(西日本銀行・長崎銀行)。九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)。宮崎銀行。佐賀銀行。福岡中央銀行。宮崎太陽銀行。豊和銀行。佐賀共栄銀行の10行。
◆九州地銀(18行)の決算単信の発表は3営業日で終えている。
・十八銀行とふくおかFGは4月1日付けで経営統合しており、5月10日は十八銀行単独での最後の発表となった。
◆20年3月期第3四半期決算をトップで発表したのは南日本銀行で2月3日。最終2月13日の九州FGの発表まで7営業日となっている。

【表2】を見ていただきたい。日経平均株価の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆南日本銀行が20年3月期第3四半期決算を発表した2月3日の日経平均株価は前日比▲233円94銭の2万2,971円24銭(前日比-1.01%)。
最後に九州FGが発表した13日の日経平均株価は2万3,827円73銭と800円を超える上昇となっており、新型コロナウイルスの影響が出ていないことがわかる。
◆しかし、それから10日余り経過した2月25日の日経平均株価は、前日比▲781円33銭の2万2,605円41銭(-3.34%)と大きく減少。コロナショックの始まりだった。
・以後、日経平均株価は大きく減少し、2月28日は前日比▲805円27銭の2万1,142円96銭(-3.67%)と2万1,000円台に下落。
◆3月19日の日経平均株価の終値は前日比▲173円72銭の1万6,552円83銭(-1.04%)と年初来の最安値となった。その後も乱高下を繰り返えしたものの、期末の3月31日は前日比▲167円96銭の1万8,917円01銭(-0.88%)。
◆4月10日の日経平均株価は前日比+152円73銭の1万9,498円50銭(0.79%)。【表3】の通り、新型コロナウイルス感染者が減少に転じたダウ平均株価は大きく上昇している。一方、日経平均株価は7日の「緊急事態宣言」発出後も新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、大きく値を戻す動きは見られない。

<まとめ>
◆今年5月のカレンダーを見ると、連休明けの営業日は5月7日(木)、8日(金)、11日(月)となっている。曜日の関係から、昨年より決算発表は早くなるのか遅くなるのか。一番早く発表する銀行はどこか。人口の高齢化にともなう地域経済の縮小に加え、新たにコロナショックも加わっており、業績予想通りとなっているのだろうか。
各行の21年3月期の決算予想は新型コロナウイルスの影響をどう読むかにかかっている。今まで以上に独自性を求められおり、株主や投資家にその真価を問われることになりそうだ。

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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

(後)

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