徹底した地元密着営業で勝ち得た、信頼と実績

（株）福一不動産

地元密着営業で築いた信頼

　（株）福一不動産は、西日本最大規模の歓楽街「中洲」に隣接する川端通商店街に本社を構え、本社から半径500m圏内を商圏に定めた地元密着営業を推進し続けている。競争相手が限られる分、新規開拓を続けやすい「郡部型の一騎打ち戦的地域」での営業活動により、同社が掲げる売上目標は、分析結果によって営業地域と決めた半径500mにある30億円／1年におよぶ不動産市場の3分の1にあたる10億円だ。

　目標の達成に向けて、地元密着だからこそ提供可能な優良物件情報に加え、親身なテナント管理ときめ細やかなアフターフォローを徹底することで、顧客から厚い信頼を勝ち得ている。その結果、中洲の店舗紹介において「不動産を探すなら福一不動産」と評されるほど高いシェアを誇っているのだ。

　業務内容としては、主に飲食店を中心とした賃貸物件や事務所、賃貸住宅の紹介業を手がけるほか、管理物件の稼働率向上にも注力している。たとえば、いわゆる「水商売」では賃借人への審査が厳しくなる傾向にあり、初期費用だけで1,000万円以上必要になる場合も少なくない。そこで同社は、独自に敷金に変わる保証金制度を新設。開店にともなう費用を従来の40％程度にまで抑えられるようにするなど、出店希望者に寄り添う提案を行っている。

　商品・地域・客層を限定することで、名実ともに地元で一番の不動産業者となった同社。業績は堅調に推移しており、保有する資産も潤沢。仮に売上高がゼロだったとしても、向こう5年以上は社員に給与を支払い続けられるだけの強固な財務基盤を築き上げている。

古川代表自らが広告塔に

　同社の代表取締役を務める古川隆氏は、自ら積極的に情報発信を行っている。SNSや書籍など、情報媒体は多岐に渡り、古川代表の思いや、営業、経営に対する考え方は多くの人に共有されている。とくに自らの経験を基に執筆された『崖っぷち社長の逆転戦略』『売りたかったら売り込むな！』といった書籍はAmazonの売れ筋ランキング（マーケティング部門、中小企業経営部門）において第1位に輝いたこともあり、多くの中小企業経営者や起業を考えているビジネスマンに読まれている。

　また、古川代表が自ら法則化した『5カウントの法則』は、営業活動における1つの指標として定着している。5カウントの法則は、関係性を深めたい相手（見込み顧客や潜在顧客）との接触方法を数値化することで、相手との距離感を可視化するもの。どんな相手でも5回会えれば親しくなれるという古川代表の経験則に基づいた法則で、例を挙げると、【会う】1カウント、【電話】0・5カウント、【FAX】0・5カウント、【メールやLINE】0・5カウントといった具合にカウントしていき、5カウントまでをどうすれば短期間で達成できるか知恵を絞るというものだ。

　こうした経歴から、古川代表は経営者としてだけでなく、福岡大学経済学部講師、九州産業大学経済学部講師としても活躍。後進の育成に尽力しているほか、世界最大の社会奉仕団体「ライオンズクラブ」の一員として、被災地支援など、さまざまな地域貢献を行っている。

　さらに自ら表舞台に立つ広告塔として、幅広く活動する古川代表。バブル最盛期に大手デベロッパーで経験を積み、その後のバブル崩壊によってゼロからの再スタートを切って、今に至る。この逆境からの成功体験が、古川代表が実践する地元密着営業と専門領域特化による他社との差別化戦略に、説得力と納得を与えている。

素直であることが成長への近道

　福岡市屈指の不動産業者である同社が人材に求めるものは、「素直であること」「感謝すること」「嘘をつかないこと」。スキルや実績は経験を積むことで後からついてくる。大切なのは、顧客が求めていることに誠実に向き合う姿勢だ。そして、それが結果的に成長への近道となる。

　同社は現在22名体制で、中洲川端、店屋、冷泉、祇園町エリアを中心にマンション・土地の売買仲介、ビル・テナントの管理を手がける。同社の新たなメンバーとして、地元ナンバーワンの会社で自己実現をはたす。それは必ず社会で自らの価値を示す自信につながるはずだ。

＜プロフィール＞
古川　隆（ふるかわ　たかし）

1962年9月、宮崎県延岡市生まれ。85年、大分工業大学建築科を卒業。大手マンションデベロッパーに勤めるが、バブル崩壊でリストラにあう。95年、（株）福一不動産に入社し、97年9月に代表取締役に就任。全国各地で経営者を対象にした講演・セミナーを行う一方で、中洲のママさんを対象に講演会・勉強会も定期的に開催している。