吉村猛山口FG会長の再任否決~次第にわかってきたその真相
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【表1】は、6月25日に開催された株主総会後に開催された臨時決算取締役会議に出席した役員の顔ぶれである。
~この表から見えるもの~
山口FGの臨時決算役員会議は、代表取締役会長および代表取締役社長がいる場合、上席の会長が議長となる。出席した取締役は10名であるが、議長は議案の提出権はあっても採決に加わることはないため、9名で決議される。
◆吉村議長が株主総会で圧倒的多数で承認された自身の代表取締役会長への再任案を提出したことに対して、吉村氏を除く役員が反対し、会長就任を拒否したということがわかってきた。
・役員の内訳を見ると、吉村氏を除く社内取締役は椋梨敬介社長、久野耕一郎副社長、福田進常勤監査役の3名。社外取締役である楠正夫氏、永沢裕美子氏、柳川範之氏、末松弥奈子氏、佃和夫氏、国政道明氏の6名。社内取締役と社外取締役をあわせた計9名が反対したことになる。【表2】は、臨時決算取締役会議で吉村氏の会長就任を否決後に採決された、新役員の顔ぶれである。
~この表から見えるもの~
◆吉村氏は代表取締役会長から取締役に降格され、椋梨氏が代表取締役社長グループCEOに選任され、社内役員のトップとなった。ただし、ガバナンスの問題として、社内取締役3名に対して、社外取締役7名という構成が良いかどうかについては、社内および傘下行のなかで問題視する声も多い。しかし、吉村氏が自身にとって味方であるはずの社外取締役により、罷免されるという皮肉な結果となったのも事実である。<吉村会長罷免の動機について>
◆吉村会長は、2018年に業務提携した消費者金融大手のアイフル(株)と共同出資して、新銀行の設立をひそかに計画していたといわれる。それは傘下のもみじ銀行と北九州銀行を経営統合して合併させ、空いた1行の枠を新銀行に割り当てるというものだったという。
・このような大掛かりな金融再編の問題を取締役会議に諮ることなく、密かに進めていたというのが真相のようだ。<むすび>
このような動きについて現場を預かる支店長に聞くと、「何も知らされていないし、支店長同士はもちろん、支店の行員も禁句となっている」という。「今はただ、外部の報道に頼るしか知る由もない」と、寂しく語ったことが印象的であった。ただ、日経新聞などの報道を見ると、情報が洩れているように思える。山口FGの役員が報道陣に語ることはない。そうであれば社外取締役から漏れたとしか考えられないというのが筆者の実感である。
データ・マックスとしては、『実録 頭取交替』に続いて発生した山口FGの頭取交代劇を、「今後も独自の取材」により真相を究明していくことにしたい。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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