山口FG・山口銀行内は厳戒態勢?~吉村猛取締役の件はアンタッチャブル(6)
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6月25日に代表取締役会長兼CEOを解任された吉村猛取締役。今般の一件については、間もなく3週間が過ぎようとしているものの、まだ同社本部および山口銀行本店内では、不穏な雰囲気が続いているという。当社・特別取材班は、同社社員および同社OB複数の証言を得た。
11.締めとして、今後の行方についての見立てについてお聞かせください
- 吉村の影響力にかかわらず、混沌とした状況になるだろう。誰も統率できるだけの力をもっていない。
- グループ銀行の役員が結託したら、椋梨では対抗できない。FGが銀行に指示を出せない状況になるのではないか。
- 吉村の遺産として、FGの執行役員は吉村の茶坊主ばかり。役員になるには早すぎる連中しかいない。一方で、銀行には吉村に煙たがられて追いやられた連中が集まっている。銀行役員の方が年次は上。FGと銀行が一体とならずに対立する場面が増えるのではないか。
- データ・マックスでは買収されるしかないと書かれていたが、地銀の再編は基本的には近隣県が対象。山口FGを買収できるだけの規模や体力があるのは、ふくおかFGくらい。
- ただ、北九州銀行やもみじ銀行の扱いを考えると難しいだろう。福岡銀行は広島銀行との提携を優先するはず。
- 西日本FGや九州FGだと対等になってしまうので、あちらが嫌がるだろう。問題を知ってしまった以上、いま統合しようという機運にはならない気がする。
- 周辺県の第2地銀を糾合するというのはあるかもしれないが、この状況で山口FGの傘下に入りたいという銀行もいないのではないか。提携した愛媛銀行も後悔しているかもしれない。
- SBIが買収との話もあるが、向こうにその気はないと思う。SBIの地銀との提携は、自社の金融商品の販路を確保したいだけ。本気で銀行を経営したいとは思っていないはず。
- 実際、出資した銀行の住宅ローン団信や取扱火災保険がSBIグループに変えられている。さすがSBI、うまい稼ぎ方だと思う。
- 銀行を経営すると制約も多い。SBIは合弁の住信SBIネット銀行も50%出資だが、連結子会社にはしていないはず。銀行への規制を理解したうえでそうしているのだと思う。
- 厳しいが自助努力で立て直すしか道はないのではないか。本当は役員が権力争いをしている余裕はないはずだが、権力争いは長州人の気質かもしれない。幕末の長州藩もそうだし、倒幕後の明治政府でも権力争いを繰り広げた。時代が変わっても、同じことを繰り返すのかもしれない。
- 明治維新のように全国に名を轟かせることはないと思うが・・・。醜聞では全国に名を馳せることにはなった。
(了)
【特別取材班】
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