山口FGの臨時株主総会を検証する
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(1)の「臨時株主総会付議議案の一部取り下げおよび修正に関するお知らせ」を見ていただきたい。
山口フィナンシャルグループ(以下、FG)は、12月24日(金)午前10時から臨時株主総会の開催予定を発表していた。
◆第1号議案は「取締役吉村猛氏の解任の件」。第2号議案は「取締役(監査等委員である者を除く。)1名選任の件」だった。
山口FGは調査委員会の調査報告書(7月26日付)を受けて、吉村取締役に対して辞任勧告をしたが応じなかった。しかし、吉村氏から臨時株主総会開催予定前日の23日に、突然「取締役辞任の申し出」を受けたことから、第1号議案は取り下げとなった。(2)は「臨時株主総会の決議に関するお知らせ」である。吉村氏の取締役辞任により、後任の取締役には、曽我徳将専務執行役員が賛成多数で承認された。
(3)は臨時株主総会後の午後12時30分よりシーモールパレスで記者会見したときに配布された資料である。
~この表から見えるもの~
◆臨時株主総会の所要時間は60分(午前10時~午前11時)。出席株主は100名。吉村氏が前日に辞任の申し出をしなければ、丁々発止のやり取りを期待する株主は多かったと思われるが、100人にとどまった。山口銀行OB会(清交会)の個人株主が多く出席していたのが目に付いた。
◆椋梨社長と質疑応答者は6名で一問一答の条件付きだった。筆者は最後の6番目で質問した。内容および概要は以下の通り。
『質問内容』
一般の上場会社では社内取締役と社外取締役の人数は社内取締役が多く、最近は5対5と社外取締役の企業統治を期待する企業も増えている。しかし、山口FGでは社内取締役3名に対して社外取締役7名と圧倒的に社外取締の数が多い。社内取締役4名を3名にしたのは吉村猛前代表取締役会長兼CEOである。このまま3対7の役員体制を続けるのかどうかをおうかがいしたい。『回答』
「現在、プライム市場上場への準備を行っており、昨今のコーポレートガバナンスの流れを踏まえ、社外取締役の過半数は維持してまいりますが、社内取締役の増員については、今後、次期選任議案の検討のなかで、議論を重ねてまいります」との回答があった。<まとめ>
吉村氏は、「社外取締役は自分の意のままに動くと錯覚していた」のだろうが、今回は敵に回して寝首をかかれたということになる。裏を返せば【表1】の通り、社外取締役が多い企業は、生殺与奪権を非常勤の社外取締役に握られているということを示すものであり、社外取締役を増やそうとしていた企業に対して警鐘を鳴らす出来事だったといえるかもしれない。また、椋梨社長は社外取締役の減員を検討すると述べており、【表2】の通り、山口FGの代表取締役社長兼CEOとして、誰を社外取締役から外すか、その対応が椋梨氏の実力を問う試金石となりそうだ。【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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