パチンコの雄・宣翔物産、不動産売却で56億円握ったか
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(株)宣翔物産は地元パチンコ業界のトップである。今回、中央区赤坂1-1の不動産(プラザ赤坂)を売却した模様。不動産の広さは700坪、坪当たり800万円で商談が成立したという情報が流れている。単純に計算すると56億円の取引になる。
買い手はJR九州とみられる。積水ハウスも入札に負けたといわれる。宣翔物産はリーマン・ショックの時期にも西通りの不動産を売却し、莫大な売却益を得たことがある。含み資産を多く保有し、パチンコ不況でも微動だにしない。博多区博多駅中央街にもケタ違いの含み資産を保有していることは有名である。
約120億円の不動産も保有
パチンコ業界ほど急激に市場が減少した例は稀有である。一時期は「40兆円(年の商い)市場」ともてはやされた。ところが、コロナ禍で15兆円ほどに激減。そこへ深刻な信用不安がながれ出した。「●●のパチンコホールが売りにでているようだ」といったタレコミが連日、入ってくるようになったのだ。しかし、宣翔物産は淘汰されることなく、堂々と存続できる業者である。
なぜならば膨大な不動産の含み益があるからだ。一例を紹介しよう!博多駅筑紫口にホテルクリオコート博多がある(写真参照)。住所は博多駅中央街になる。この不動産も宣翔物産名義である。面積は630坪で、専門家の評価によると坪2,000万円とか(低めの査定)。
630坪×2,000万円=126億円となる。赤坂の案件56億円の約2倍になる勘定である。パチンコ業界では宣翔物産以外の淘汰話が囁かれ始めている。
不動産名義の変更にドラマが
宣翔物産が所有する不動産名義の変更には秘められたドラマがある。これまでの経緯をたどっていこうと思うが、その前に不動産のプロから新たな回答を得られた。「話し合い次第では坪2,500万円もあり得る」ということで、そうなると157億5,000万円になる。
さて名義変更の歴史をたどっていこう。1985(昭和60)年当時は(株)平和会館になっていた。母体は中華料理店の運営会社であり、当時の隆盛ぶりをうかがい知ることができる。
1992(平成4)年5月にこの土地の名義者である平和会館が(株)クリオに商号変更している。不動産移転ではなく、法人そのものを買収したのである。このクリオのオーナーは、NTTが上場をはたした際、未公開株を売り切って所得番付日本一に君臨した兵(つわもの)であった。これを記憶されている方々はそれなりの年齢であろう。福岡の経営者として海外ビジネスの先駆者的存在だった。
登記簿謄本からもわかるように(株)クリオは平成13年7月に会社更生法を申請した。資料をたどると平成15年6月に宣翔物産が実質、掌握したことになっている。詳細については改めて説明する機会もでてくるだろう。
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