【清々しい品格(8)】常に革新を求めて挑戦「10年先見据えた組織づくり」
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(一社)九州住宅産業協会 副理事長
金子 幸生 氏
日建建設(株)代表取締役物価高という試練
マンション・建設業界の我が世の春が終焉して、物価高の圧力が高まってきている。加えること、住宅ローン金利上昇リスクもあり、先行きは楽観視できない状況だ。マンション業者は計画を中断することもあり得るし、建設業者も採算割れとなり、受注をストップすることにもなりかねないというのが、九州住宅産業協会(以下、九住協)の副理事長・金子幸生氏の見立てである。
「だからこそ組織を常に若返りさせることに挑戦しないといけない。今回の九住協の役員人事は未来への最高の布石であった」と評価する。
九住協で鍛えられた
金子氏は2003年3月、34歳で日建建設(株)の3代目社長に就任し、まもなく20年を迎える。その間、リーマン・ショックで悪戦苦闘する時期もあった。「危機を乗り越えられたのは九住協の先輩たちのおかげである。いろいろとご援助をいただいた。だからこの組織には恩返しすると誓った。いろいろな役職を命ぜられたので必死で取り組み、己の成長の糧になった。ありがたいことだ」と振り返る。
何よりも研修部会長を18年間、勤め上げてきたことを誇りに思っている。36歳での抜擢であった。周囲は「金子社長は若いが見所がある。中核を担っていただこう」と評価していたのである。
最大の功績は、九州翔経塾の運営であったと筆者はみる。金子氏は、「福岡、九州にとどまらずに東京、日本へ目を向けないといけない」という信念を抱いてきた。だから東京の若手経営者たちとも積極的な交流を図ってきたのだ。交流相手には1,000億円クラスの企業経営者もいた。この東京の経営者との交流会に参加した福岡の若手経営者たちからも「金子社長のおかげで視野が広がった」と感謝の念をもたれた。
次世代に向けた布石
九住協における金子氏の功績は、外部(建設業界)からも評価を得ていた。(株)松本組・松本優三社長が、金子氏を福岡市建設業協会会長に抜擢したのである。「2団体の業務を引き受けて大丈夫か?」と筆者は野暮な質問をしてしまった。その野暮な質問に対して金子社長は、「超多忙になるのは覚悟の上だ。受けた以上、やるべきことはやる」と決然と答えたのだ。
話を九住協に戻そう。「私自身まだ若いと思っていたが、54歳になった。回りを見渡すと九住協にも私よりも若い世代が現れるようになった。まず私が担ってきた九州翔経塾のポストを百田社長(百田工務店)に譲った。同時に、今回の人事で10年先を見据えた若手経営者の登用を行った。画期的な若返りができたと思う。九住協は永遠に不滅という心境かな」と金子氏は大胆な笑みをこぼす。
【児玉 直】
法人名
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