2024年12月27日( 金 )

トリアスの運営業者が変更、北山興産の自社運営へ

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トリアスの運営業者が変更、北山興産の自社運営へ

 コストコの日本1号店があることで知られるショッピングモール「トリアス」(福岡県久山町)の運営管理会社が、(株)ケーファ(大阪市)から(有)トリアスマネジメント(福岡県久山町)に変更される。

 ケーファは、マスターリース会社であるトリアスマネジメントから委託を受け、トリアスの運営管理を手がけてきたが、今年8月に両社は契約解除について合意。ケーファは年内でトリアスの運営から手を引くこととなる。

 トリアスの不動産信託受益権は(株)北山興産(福岡市)、トリアスマネジメントの株式は北山興産のグループ会社・プラザホテル(株)(同)が、それぞれ今年1月に取得していた。トリアスマネジメントはマスターリース会社であり、敷地の借地権者でもある。

 トリアスの権利関係は複雑だ。約6.5万坪の敷地は100者超の地権者から賃借しており、一方で32棟の建物のテナント数は100を超える。これらの地権者とテナント、双方とも契約の相手側となるのが、トリアスマネジメントである。

 ケーファが運営管理者となったのは、ファンドがトリアスのオーナーとなった10年ほど前からだ。オーナーであるファンドとマスターリース会社であるトリアスマネジメントから、実質的にPM業務を任されたのが、ケーファだった。

 トリアスマネジメントの実態はペーパーカンパニーで、管理業務は基本的にケーファが担っていた。ケーファは、現地の管理者として地権者ともテナントとも長期間にわたって関わっており、今回の変更にあたってテナントからは不安や動揺する声も寄せられた。

 不安や動揺の声に対して北山興産は、「ドラスティックな変更は考えていない」と話す。ケーファとの合意解除については、「地元企業として、トリアスをより良い施設とするためには、現地と深く関わっていく必要がある。ファンド下での最適化も地元企業下では最適とは限らない。現場を見て分かったところも多く、今回のタイミングでの結論となった。自社運営とすることで、すばやく対応できることも増える見通し」(北山興産)という。

 建物管理に関する窓口対応や施設の会計処理など、施設の運営構造について合理化を図り、自社運営ならではの機動的な体制構築を図っていくのだという。

 なお、ウエストコート姪浜(福岡市西区)などの商業施設を運営する北山興産グループでは、トリアスを自社運営するにあたって、9月からPM職の採用活動を開始している。

【永上 隼人】

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