大手金融グループ6社の経営成績を検証する（後）

2022年12月13日 11:30

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【表3】は大手金融グループの22年9月期（中間期）の純資産残高順位表である。
◆純資産残高1位は三菱UFJFGで前期比▲1,373億円の17兆8,509億円（前期比－0.8％）。シェアは32.9％。
・2位は三井住友FGで前期比5,635億円増の12兆1,973億円（前期比＋4.6％）。シェアは23.5％。
・3位はゆうちょ銀行で前期比▲8,229億円の9兆4,793億円（前期比－8.0％）。シェアは17.5％。
・4位はみずほFGで前期比▲2,050億円の8兆9,960億円（前期比－2.2％）。ゆうちょ銀行を除くと減少額および減少率とも一番大きい。シェアは16.6％。
・5位は三井住友トラスト・HDで前期比67億円増の2兆7,519億円（前期比＋0.2％）。シェアは5.1％。
・6位はりそなHDで前期比▲148億円の2兆4,442億円（前期比－0.6％）。シェアは4.5％となっている。
◆自己資本比率について
・三菱UFJFGの22年9月期の自己資本比率は、前期比－1.25％の13.04％となっている。
・三井住友FGの自己資本比率は、前期比－0.93％の15.63％。
・ゆうちょ銀行の自己資本比率は、前期比－2.32％の13.36％。6社のなかで一番低い。
・みずほFGの自己資本比率は、前期比－1.81％の15.72％と一番高い。ただ、前期比（％）はゆうちょ銀行を除くと一番マイナスが大きい。
・三井トラスト・HDの自己資本比率は、前期比－1.75％の13.86％。
・りそなHDの自己資本比率は、前期比＋0.18％の13.99％。同社だけが前期比プラスとなっている。
◆6社とも自己資本比率は、バーゼル3（2013年3月期～）で合意した国際統一基準の8％を大きく上回っている。

【表4】は大手金融グループの22年9月期の貸出金・預金残高順位表である。
◆貸出金残高1位は三菱UFJFGで前期比9兆3,449億円増の119兆7,771億円（前期比＋8.5％）。シェアは30.6％。総預金残高も1位で前期比9兆5,162億円増の235兆8,822億円（前期比＋4.2％）。シェアは27.1％で預貸率は50.8％。
・2位は三井住友FGで前期比10兆394億円増の100兆8,734億円（前期比＋11.1％）で、100兆の大台。シェアは25.8％。総預金残高は3位で前期比9兆9,403億円増の171兆5,954億円（前期比＋6.1％）。シェアは19.7％で預貸率は58.8％。
・3位はみずほFGで前期比7兆3,832億円増の92兆1,194億円（前期比＋8.7％）。シェアは23.6％。総預金残高は4位で前期比8兆5,710億円増の164兆2,707億円（前期比＋5.5％）。シェアは18.9％で預貸率は56.1％。
・4位はりそなHDで前期比8,394億円増の40兆4,373億円（前期比＋2.1％）。シェアは10.3％。総預金残高は5位で前期比▲7,152億円の61兆1,824億円（前期比－1.2％）。シェアは7.0％で預貸率は66.1％。
・5位は三井住友トラストHDで前期比1兆4,050億円増の32兆2,815億円（前期比＋4.6％）。シェアは8.3％。総預金残高は6位で前期比2兆4,553億円増の42兆2,733億円（前期比＋6.2％）。シェアは4.9％で預貸率は76.4％。
・6位はゆうちょ銀行で前期比9,811億円増の5兆4,230億円（前期比＋22.1％）。個人ローンが大幅に増加している。シェアは1.4％。総預金残高は3位で前期比
2,821億円増の193兆7,240億円（前期比＋0.1％）と微増。シェアは22.3％あるが預貸率は2.8％と低い。

【表1】から【表4】まで大手金融グループ6社の経営成績を検証きたが、三菱UFJFGの主力行は三菱銀行であり、三井住友FGの主力行は住友銀行と結束しているのが読み取れる。しかし、日本興業銀行を主力に過去金融グループをリードしていた「みずほFG」の経営成績は、三井住友FGおよび三井住友FGの後塵を拝し、3位と厳しい状況にあるのがわかる。
ほかの金融グループと経営統合して再生を目指すのか。それとも、上位2社（三菱UFJ・三井住友）の金融グループのどちらかの傘下に入るか。生き残りをかけた選択肢は限られてきていると言っても、過言ではないのではないだろうか。

追記:【表5】は九州地銀（含むFG・FH）の当期純利益順位表である。九州地銀の経営統合も、大手金融グループと同様に、今後加速するものと推測される。