訪日外国人消費動向、7~9月の消費額が過去最高に
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7~9月の消費額、過去最大に 買物代は減少
観光庁の18日付発表によると、7~9月の訪日外国人観光客の消費額(1次速報値)は2019年同期比17.7%増の1兆3,904億円となり、四半期として初めて新型コロナウイルスの感染拡大以前の水準を超えた。また、10年4月に調査を開始して以来の最高額を記録した。政府は年間消費額5兆円の目標を掲げており、今年の通算消費は約3兆6,000億円となり、政府が目標に掲げる5億円を達成する可能性が高まってきた。
1人あたりの支出の推計は21万1,000円で19年同期比29.4%増。物価上昇などが増加に寄与したとみられる。
消費額の構成を見ると、宿泊費が19年7~9月期の25.9%から23年、7~9月期は34.2%と大きく高まったほか、娯楽等サービス代が4.1%から5.3%に高まった。一方、買物代が構成比で33.2%から26.1%に大きく低下したのみならず、消費額でみても3,922億円から3,632億円と減少した。
消費の費目別でみると、宿泊費と飲食費はイタリア、交通費はスペイン、娯楽等サービス費はオーストラリア、買物代は中国がそれぞれ最も高い。
9月の観光客数、コロナ前に迫る
消費額が一足先にコロナ以前の状態を超えたが、訪日外国人観光客数もコロナ以前の実績にほぼ戻ってきた。JNTO(日本政府観光局)の18日付発表によると、9月の訪日外国人観光客数は19年同月比96.1%の218万4,300人で、回復率では前月(19年8月比85.6%)から大幅に伸びた。
今回の回復率の上昇について、JNTOは東南アジア、米州などからの訪日客の増加を挙げる。23市場(JNTOの分類)のうち15市場(韓国、台湾、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、豪州、米国、カナダ、メキシコ、ドイツ、イタリア、スペイン、北欧地域、中東地域)において9月では過去最高を記録した。
一方、「爆買い」の代名詞であった中国は19年9月比39.8%の32万5,600人。他の市場と比べ戻りは遅いものの、6月時点では19年6月比23.7%で回復率は着実に上昇している。
【茅野 雅弘】
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