年忘れ~タカギ、売却額1,000億弱は盛ってる?? ファンドの秘密主義に管を巻く(前)
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大手の尻馬、乗って担いだ要らぬ片棒
経営教訓として6月から4回にわたって連載した(株)タカギ(北九州市小倉南区、髙城いづみ代表)。題名には「1,000億円売却」と銘打ち、4つの記事を掲載した。記事については各方面から反響をいただき、しばらく担当記者は一仕事やり遂げた感を漂わせながら、水道のノブを上げ下ろしする手つきすら得意げに振舞っていたものだ。
ところで、記事に対するもっとも多い反響の1つが何であったかというと、題名でも冠した売却額である。
「これはちょっと高すぎるのではないか。」
「通常なら300億程度、将来性を見据えて大きく見積もってもせいぜい500億。」
「もし1,000億で買ったとしたらいったいいくらで売るつもりだ。誰が買う?」タカギの売却が検討されていたころの直近2022年3月期の業績は、売上高306億円、粗利益197億円、営業利益58億円、最終利益34億円、資産は総資産367億円、純資産193億円である。
高すぎるという指摘はもっともだ。当社も別筋から880億という情報を得ていたものの、それでもやはり高すぎるという意見が大勢であった。だが、1,000億円弱を題名に冠した記者本人は疑問の声を気に留める風でもない。その理由はほかでもない。日本を代表する某経済新聞社が「買収額は1,000億円弱とみられる」と報道していたことが自信の根拠らしいのだ。
明け透けに言ってしまえば、天下の某新聞社の尻馬に乗ったのである。長い物には巻かれろ、虎の威を借りろとは、能無し記者が繰り出す定石の一手、これこそ大手の尻馬である。
無能記者が定石にすがるのはほかにも理由がある。疑問をぶつけられたときに言い訳にする出口戦略も兼ねているのだ。まこと無能記者はこの点だけは抜け目がない。
という訳で、記事を書き終えた無能記者は、1,000億円に対するご意見をいただくたびに、誰にも彼にも慣れた念仏のように同じ言い訳を繰り返していたのだが、とあるプロ経営者の某人とも以下のようなやり取りがあった。
某人「いやぁ、1,000億ってのは凄いですね」
無能記者「いや、私も高いなぁと思ってたんですが、某大手新聞社も書いてますんで、間違いないでしょう」
某人「しかし、某新聞社は何日に記事を出してましたか?」
無能記者「3月末日です」
某人「買収したファンドのプレスリリースは?」
無能記者「同日です」
某人「ファンドはプレスリリースに買収額なんて書いてましたか?」
無能記者「いえいえ、書いてる筈ありません」
某人「じゃあ、どこから1,000億の情報が出たんでしょうか」
無能記者「ファンドのリークじゃないでしょうか」
某人「ファンドが何のためにリークしたんでしょう」
無能記者「うーん、何のためでしょうか…」
某人「ファンドの最終目的は買った会社を高く売ることですから、当然そのためでしょう」
無能記者「そうでしょう」
某人「ということは、高く売るためにリークしたんでしょうね」
無能記者「でしょうね」
某人「じゃあ、ひょっとしたら盛ってるかもしれませんね」
無能記者「…せんね」
某人「御社も何か別情報をつかんでいたようですが?」
無能記者「ある筋から880億と聞いていました」
某人「なるほど、ところでファンドはタカギに200億、追加投資するらしいじゃないですか」
無能記者「らしいです。」
某人「じゃあ、この200億は、1,000億弱あるいは880億に含まれていることも考えられますね」
無能記者「ますね」
某人「仮に880億だとして、そこから200億引いて680億。それも貸付金などいろいろ含めて込み込みだとすると、買収額は500億程度かもしれませんね」
無能記者「ませんね」
某人「その500億も時価総額ということにして、実際のところ購入するのは株式の70%にすれば350億で済みますよね」
無能記者「それで済みます」
某人「その辺りが妥当な線じゃないでしょうか」
無能記者「妥当です」
某人「仮に350億で買って、1,000億弱で買ったと情報が流せれば儲けもんですね」
無能記者「儲けもんです」
某人「大手記者とファンドは、リークと宣伝で持ちつ持たれつなんですかねぇ」
無能記者「ですかねぇ」無能記者のもう1つの定石は、自分の過ちを認めないということである。その過ちが、某新聞社の尻馬に乗ったついでに片棒も担がされていたとなれば、目も当てられない。これで某ファンドが思惑通りタカギを高く売ったら、そのときこそ片棒の駄賃を売掛として回収したいと、妄想のなかで皮算用をするが無能記者にできるせいぜいの尻拭いといったところだ。
もう1つ、無能記者には忘れっぽいという特技もある。自分に不都合なことはすぐに忘れる。年末なので来年に持ち越さぬよう、本年のうちに洗いざらい白状しておいた。
(つづく)
法人名
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