2024年12月22日( 日 )

正念場に差しかかった財界2位のSKグループ(前)

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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏

繊維企業からスタートし、韓国財界2位となったSKグループ

 SKグループの企業のなかでは、海外ではSKハイニックスが、国内ではSKテレコムが割と知られている。韓国財界2位のSKグループのスタートはもともと鮮京(ソンキョン、SunKyong)織物(株)から始まった。飛躍きっかけは、1980年に大韓石油公社を買収し、石油精製事業に進出したことと、90年代以降の通信企業や半導体企業の買収による事業拡張させたことである。鮮京グループは98年から社名をSKグループに変更し、今に至っている。

 SKグループの中核企業の一つ、SKテレコムは韓国最大の携帯電話事業者で、約50%のシェアを持ち、業界トップにいる。同グループは以前は情報通信、エネルギー、化学が主力事業だったが、現在は半導体、車載電池、バイオへシフトしている。この過程で同グループは数年間、莫大な投資を行ってきている。現在の崔泰源(チェ・テウォン)SK会長は、創業者の息子で、2代目にあたる。彼が就任してから今年で25年目になるが、同グループの資産価値は約327兆ウォンで、25年前に比べて10倍近く成長している。SKグループは、サムスン、現代自動車、LGと共に、韓国の4大財閥の一角を占めている。

M&Aでグループを成長させてきたSKグループ

 SKグループは金融市場から資金を調達し、企業買収や事業拡張で成長を遂げた。企業が市場で資金を調達する方法は社債の発行か、株式の発行または売却のみだ。今年SKグループが国内の社債市場で調達した金額は10兆8,457億ウォンに上る。国内グループの中で最も大きい金額だ。グループが発行する債権発行額全体の22.42%を占める。18年から韓国債権市場で年間7兆~8兆ウォンを調達しており、19年に10兆980億ウォンにピークを付けた後、減少したが、今年最大値を更新し、2000年以降最大の規模となった。

 海外債券市場でもSKグループは資金調達に積極的である。1月にSKハイニックス(25億ドル)を皮切りに、SKオン(9億ドル)、 SKブロードバンド(3億ドル)がドルで資金を調達し、4月にSKハイニックスは17億ドルの交換社債を発行した。21年までは債権の金利も1%台で、金利の負担もそれほどなく、グループの資金調達も順調であったので、借入金で設備投資および事業拡張をしてきた。ところが、状況は様変わりし、高金利時代となった。

(つづく)

(後)

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