30周年を迎え、また超えて(11)平成に突入「すべてが変わる」
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国際都市・福岡のスタート
思えば福岡市が政令都市になった時(1972年4月)の人口が約89万人、現在では160万人超まで増加した。一方、福岡市の面積はというと、博多湾を埋め立てた分しか増えていない。福岡市行政は、よくよく未来を考えたものである。検討を積み重ねた結果、「博多湾を埋め立てるしか都市拡大の道はない」と結論を下して早速、埋め立て工事に取りかかった。まず第一弾として、東区の香椎浜埋め立て工事に着手した。同地の販売における苦戦に関しては、後日改めて触れることにする。
それから多少遅れて、埋め立て地域は百道浜・豊浜・愛宕と西部地区に移動していった。1989(平成元)年にアジア太平洋博覧会(よかトピア)を成功のうちに終えたことで「都市・福岡」ブランドの名が大いに高まった。当時の桑原市長が述べた「アジアの玄関口・福岡」がスタートした記念すべき年でもあった。年号もチェンジした。当初、福岡市側は埋め立て地の販売に関し、強い不安を抱いていた。ところが平成バブルは不動産価格を暴騰させてくれた。おかげで予測を上回る価格で売却でき、多額の余剰金が発生した。博多湾埋め立て事業で最大の「暴利を貪る」ことができた地区が百道浜地区であろう。
すべての価値観が一変する
福岡市にとって89年が「国際都市=アジアの玄関口」としての実体を形成したスタートの年となった。付け加えること「福岡市にとって質的成長の“第2弾ロケット”の点火は2010年である」と筆者は指摘したい。どういう意味があるかというと、この10年以降、かなりの中小企業が中堅企業へと変貌していったのである。「国際都市・福岡」が発展するにつれて中小企業が恩恵を被るようになっていったのだ(生き延びれば必ず漁夫の利を得られる)。
「すべての価値観が一変する」と書いた。筆者自身も大いに揺れ動いた。「己の情報活動エリアを与信情報だけに限定して良いのか!」という自問自答である。この自解に関しては次回明らかにしよう!
未来のエネルギー実現へタッチ
「価値観が一変する」のは世相であった。己自身に置き換えると「与信情報に従事することに飽きてきた」というのが本音であろう。そこで、「取材する経済情報のターゲットを広げよう」という結論を下したのである。「単純に取材して論評する情報に専念するだけではなく、関わっていく情報発信のジャンルを築こう」という立場を明確にすることだ。しかし、その情報発信の立場を極めていくのに10年の歳月を要した。
「どこに、どの業種にするか」、とジャンルを絞り込みながら走ってみた。09年、民主党政権が樹立したときに「再生可能エネルギー使用重視」への政策転換があった(脱原発を狙った)。この再生可能エネルギーに関しては、幾度となくキャンペーンを打ったり、勉強したりした。民主党政権はわずか3年で崩壊した。結果、太陽光などの利権を食い荒らした輩の逮捕が相次いだ。ここからさまざまなことを学んだ。「未来のエネルギーとして、いかなるものが有効なのか?」にという問いの答えを追い求めたのである。
台湾視察
9月29日から10月1日、台湾の発電所を視察した。この発電機システムを知ったのは、ちょうど3年前になる。台湾のベンチャー企業の開発者が、台北の理工系教授たちと台中の技術開発を行う中小企業の経営者と合同で、叡智を結集して10年がかりで開発したものである。当初は「トランクの大きさの規模」が発電所になる。このトランクが水を活用した発電サイクルになるのであった。幾度も眺めたが、原理を理解するには至らなかった。しかし、立ち会うほどに「これは理想の発電機だ!」と感動し、「水を差し込めば2年間、発電し続ける。またトランクを積み重ねられる利便性は強みである」と確信した。
当社の計画では、昨年5月から6月に公表する予定であった。販売側は「売ることだけ」しか眼中にない。開発側がさまざまな角度からリスクを想定し、さらなる品質開発に専念するために時間がかかる。結果、発電方式を水からCO2を活用することへと変更した。水よりもCO2を活用するほうが、エネルギー効率が3倍ほど良いことが判明したのである。ここにたどりつくまでに2年間要した。素人の立場では、開発に時間がかかるのを待っていると「これはゲテモノではないか」という疑念だけが湧いてくる。
「さぁ、発電所での売電実験が始まった」と台湾側から連絡が入ってきた。そこで現地視察をすることになった。待望の現場に立ち会うことができるのである。関係者6名で現地に直行した。「この発電機プラント、この発電所が日本に広がれば、電気料金は半額まで引き下がる」と確信し、「情報発信の1パターンを構築した」と喜んでいる。
さぁ、いよいよ話を平成時代へと移していこう。
(つづく)
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