【BIS論壇No.460】BRICS首脳会議
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NetIB-Newsでは、日本ビジネスインテリジェンス協会理事長・中川十郎氏の「BIS論壇」を掲載している。
今回は10月26日の記事を紹介する。10月22日からロシア西部のカザンで開催されていたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなど)首脳会議は24日閉幕。36カ国が参加。59カ国から約2,000人の記者が取材に参加したという。
今回は2020年のインド北部ラダックでの中印軍の衝突以来、5年ぶりにインド・モディ首相と中国・習近平主席との首脳会談が実現。両国関係強化が合意された。
今年1月にはイラン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、エチオピアが加わり、議長国のロシアによると加盟国や招待国の代表団約2万人が参加。タタールスタン共和国の首都カザンは観光客も締め出し、会議に集中したという。
会議では23日、パートナー国創設を決定。創設初期の5カ国から24年1月にイラン、エチオピア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)をメンバーに追加。今回パートナー国にベラルーシ、キューバ、トルコ、アジアではタイ、マレーシア、インドネシアなどが候補国となったという。BRICSは国際経済、政治、軍事面での影響力と発言権を増すものと思われる。その動向には中国、ロシアが主導するSCO(上海協力機構)ともども十二分の注目が肝要と思われる。
先進7カ国のG7 の有力対抗機構として観察が肝要だ。とくにNATO加盟国で中央アジアでの影響力を有し、アフリカ、中東とも関係が深いトルコがパートナー国に選ばれたことは今後の中央アジアでの動向も含め、十分Watchすることが必要だと思われる。 パートナー国には13カ国が候補に挙がっているという。
あわせて、国境での軍事衝突以来5年間、関係が疎遠であった中印が関係改善。今後は発展する「チンジア」(China,India)の協力がさらに深まることが予測される。21世紀に発展する中国、インドの動向も十分注目しつつ、日本の今後の中央アジア、ユーラシア戦略を確立することが肝要であろう。 今回の首脳会談で、中ロは反米、反欧州へのグローバルサウスの取り込み、トルコ、タイ、インドネシアなどは経済実利に注目する戦略のようである。
先のパキスタン・イスラマバードでのSCO首脳会議、10月27日の日本の衆議院総選挙、11月5日の米大統領選挙、11月中旬のブラジル・リオデジヤネイロでの20カ国・地域首脳会議などの動向に十二分に注目し、今後の世界政治、経済の動向を的確に把握し、我が国の政治経済戦略を確立することが強く求められる。
<プロフィール>
中川十郎(なかがわ・ じゅうろう)
鹿児島ラサール高等学校卒。東京外国語大学イタリア学科・国際関係専修課程卒業後、ニチメン(現:双日)入社。海外駐在20年。業務本部米州部長補佐、米国ニチメン・ニューヨーク開発担当副社長、愛知学院大学商学部教授、東京経済大学経営学部教授、同大学院教授、国際貿易、ビジネスコミュニケーション論、グローバルマーケティング研究。2006年4月より日本大学国際関係学部講師(国際マーケティング論、国際経営論入門、経営学原論)、2007年4月より日本大学大学院グローバルビジネス研究科講師(競争と情報、テクノロジーインテリジェンス)。関連キーワード
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