九州地銀の15/9月期(中間)決算を検証する(3)
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九州地銀は今月に入り次々と15年9月期(中間)の決算を発表。一番早かったのは11月6日(金)に発表した宮崎銀行と北九州銀行(山口FG)の2行。9日(月)には大分銀行、十八銀行、南日本銀行の3行が続く。ピークは10日(火)で、ふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)、西日本シティ銀行、佐賀銀行、長崎銀行、佐賀共栄の7行。13日(金)に豊和銀行が発表し、九州地銀18行の決算が出揃った。
銀行の中間決算発表前の11月4日、郵政3社(日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命)が上場し民営化がスタートした。ゆうちょ銀行は公開価格の1,450円を221円(15.2%)上回って取引を終えている。株価を支えたのは個人投資家だと言われており、上場に伴いゆうちょ銀行の知名度は上昇していくと見られる。
最近ゆうちょ銀行が頻繁にテレビコマーシャルを流しているのにお気づきになられた方も多いのではないだろうか。資金力をバックに全国ネットで広告宣伝を繰り返しており、地方銀行を含め地域金融機関にとっては大きな脅威となっている。
地銀の強力なライバルとなるゆうちょ銀行の貯金残高と九州地銀の預金残高を各県別に比較して見ることにしたい。【表1参照】この表から見えるもの
・ゆうちょ銀行の貯金残高(15/3月期)は177兆7,107億円で、そのうち九州は15兆8,294億円となっている。九州地銀の預金残高39兆7,151億円に対し、ゆうちょ銀行の比率は28.5%と無視できない存在であることがわかる。
・ゆうちょ銀行の残高が一番多いのは福岡県で、6兆1,082億円。福岡県内では福岡銀行、西日本シティ銀行に次ぐ第3位の座を占めている。
・シェアが高いのは大分県で33.8%。次が鹿児島県の32.7%となっおり、以下佐賀県、熊本県、宮崎県と続くが、いずれも30%以上のシェアとなっている。
・第二地銀の預金残高は3兆9,690億円しかなく、ゆうちょ銀行はその約4倍と圧倒的に優位な立場にある。ゆうちょ銀行は官営時代とは違い積極的に新規顧客の開拓を進めており、その影響をもろに受けるのが経営基盤の弱い第二地銀と見られている。金融再編の引き金に
今のところゆうちょ銀行の預入限度額は1,000万円だが、いずれその限度額は2,000万円、3,000万円と引き上げられ、最終的には撤廃されることになると事態は深刻だ。
ゆうちょ銀行に対抗していくには、地銀自体の努力が必須。地銀全体が早急に金融再編に取り組まなければ、今後生き残るのは難しいものと推測されている。(つづく)
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