マルマエ(出水市)、KMアルミニウム(大牟田市)を90億円で買収へ
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4日、半導体関連装置向けの部品製造を手がける(株)マルマエ(本社:鹿児島県出水市、前田俊一代表)は、KMアルミニウム(株)(本社:大牟田市、以下KMA)の全株式を取得し、完全子会社化することを発表した。株式取得は、同社が新設する特別目的会社(SPC)を通じて行われ、取得額は90億円にのぼる。株式譲渡契約は同日締結され、譲渡の実行は4月8日を予定している。
KMAは九州三井アルミニウム工業(株)を源流とする企業で、主に半導体スパッタリングターゲット向けの超高純度アルミニウム製品や、アルミ電解コンデンサー用高純度アルミニウム製品、低圧鋳造鋳物製品、アルマイト製品、鍛造材などを製造・販売している。
一方のマルマエは半導体製造装置向け部品の供給を成長戦略の柱とし、とくに消耗品分野の拡充を進めてきたが、KMAが有する高純度アルミニウムの溶解・精製技術はレガシー半導体分野で高いシェアを誇っていることから、このKMAを完全子会社化することによって、半導体向け消耗品の供給拡大と、レガシー半導体市場への参入強化を両立させる狙いがある。
KMA の2024年3月期末時点での純資産は47億6,500万円、総資産は88億4,400万円、同期の売上高は85億8,800万円、営業利益は9億2,100万円、経常利益は9億7,500万円、当期純利益は6億5,800万円。なお、KMAの大株主と持株比率は次の通り。
日本産業第四号投資事業有限責任組合(28.1%)
Manaslu Fund Ⅱ, L.P.(23.5%)
Shepherds Hill Fund Ⅱ, L.P.(23.5%)
Sonora Fund Ⅱ, L.P.(23.4%)
KMA取締役4名(1.5%)マルマエは業績予想を上方修正
また同日、マルマエは25年8月期中間業績予想の上方修正を発表した。
修正後の売上高は38億9,600万円と、前回予想の36億5,000万円から2億4,600万円(6.7%)増加する見通しだ。利益面でも、営業利益は9億4,000万円(前回予想比34.3%増)、経常利益は9億2,000万円(同41.5%増)、四半期純利益は6億4,400万円(同39.4%増)と、いずれも上方修正となった。
今回の業績予想修正の理由について、半導体分野における消耗品の受注が好調だったことが挙げられる。懸案となっていた在庫の過剰問題が解消傾向にあり、想定を上回る受注増につながった。また、利益面では、売上高の増加に加え、変動費の比率が低い消耗品の受注が増えたことで、材料費や外注費が抑えられたことが寄与した。また、稼働率の改善により、受注損失引当金の減少も利益の押し上げ要因となった。
【寺村朋輝】
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