法廷闘争に持ち込まれたロッテの経営権争奪戦(後)
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創業者の武雄氏は、次男の昭夫氏を追い落とすために法廷闘争に持ち込んだ。中央日報日本語版(12月1日付)は、武雄氏が次男の韓国ロッテ会長の昭夫氏、日本のロッテHD社長の佃孝之氏(72)、韓国ロッテキャピタル兼日本ロッテHD専務の小林元氏(66)らに対し、業務妨害等の容疑で告訴したことが分かったと報じた。同紙は、関係者の話をこう伝えた。
〈武雄氏は告訴状で「佃は私の元を訪問して『宏之氏を解任したという点をおっしゃってくださればよい』と誘導し、私が『そうだ』と答えるように仕向けた」と主張した。武雄氏はまた、「昭夫ら3人」は、ことし7月28日、ロッテHDの建物を封鎖したまま臨時理事会を開き、私を代表理事会長から電撃解任し、正常勤務を妨害した」〉1月の宏之氏の副会長解任は、宏之氏が取締役会の承認を得ずに、友人の口車に乗って新規事業に8億円を投資したと佃氏から報告を受けて、武雄氏が引導を渡した。これは仕向けられたと主張しているわけだ。
これに対して、韓国ロッテグループ政策本部は「無分別な訴訟提起でロッテグループの業務を妨害する者は民・刑事的に強く対応していく」と反撃する構えだ。キャスティングボードを握る2人の日本人
この法廷闘争のターゲットは、佃社長と小林専務である。次男の昭夫氏の指南役と呼ばれている人物だ。住友銀行出身の佃氏はロッテHDの従業員持ち株会など組織管理、三和銀行出身の小林氏は日韓ロッテグループの財務の責任をそれぞれ負っている。
ポイントは、ロッテHDの経営者である彼らが、キャスティングボードを握っていることだ。従業員持ち株会、役員持ち株会、関連会社の役員持ち株会を通して、ロッテHDの株式の53.3%を支配できる立場にある。8月の臨時株主総会で、昭夫氏が圧勝したのは、2人が昭夫氏に賛成したからだ。
次男の昭夫氏と2人が手を組んでいるため、父親=長男連合に勝ち目はない。何がなんでも2人を追い落として、ロッテHDの経営権を奪い、従業員持ち株会の管理を掌中にしなければならない。法廷闘争の狙いは、従業員持ち株会を含めて53.3%のロッテHDの株式を支配することにある。お家騒動が終焉する日は来るのだろうか。(了)
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