過重労働が疑われる企業の7割が労基関連法違反
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2015年11月から行われていた「過重労働解消キャンペーン」の一環として、九州7県の各労働局が、過重労働など労働基準関連法違反が疑われる事業場、いわゆる「ブラック企業の予備軍」を対象に抜き打ち調査を実施。今年3月に調査結果が発表された。調査の対象となったのは九州7県で全585事業場。そのうち、約70%にあたる411事業場で労働基準法関係の法令違反があり、260事業場(約44%)で違法となる時間外労働が行われている実態が明らかとなった。さらに、84事業場(約14%)では、過労死の恐れがあるとされる100時間超/月の残業を強いていることも分かった。
全国では5,031事業場を対象に調査を行い、うち3,718事業場(約74%)で労基関連法違反、違法な時間外労働が2,311事業場(約46%)であったと報告されている。全国に比すると九州は低い水準だった。福岡県内に焦点を絞ってみると、調査対象となった事業場は143事業場。そのうち、法令違反があるとされた事業場は88(61.5%)。違法残業が確認された事業場は63(44.1%)となった。また、11の事業場では、賃金不払い残業、いわゆる「サービス残業」も確認されている。厚生労働相の告示によれば、1カ月の残業時間は原則45時間まで。それを超えると、脳・心臓疾患の可能性が高まるという。
今回の発表は、かつて通報がなされたことがある事業場などを対象に実施されたもの。したがって、全企業の実態を示したものではない点には注意が必要だ。もちろん、法令を順守している企業もたくさんある。その一方で、悪質な過重労働を強いる企業もある、ということだ。
日本の企業にはそれぞれ多くの暗黙の了解が存在している。始業時間の30分前には全員集合、定時で退社すると陰口を言われるなど、会社によってさまざまだが、こうした明文化されていないルールが多かれ少なかれ存在する。人気お笑い芸人、厚切りジェイソン氏がツイッターで発言した内容は、ネットを中心に話題となった。「業務に支障が出ていなければちょっとした遅刻は問題ないダロウ?日本はスタート時間に厳しいのにエンド時間にルーズ」。遅刻が問題ないかどうかは異論反論あるところだろうが、海外との間で労働スタイルに違いがあることは間違いないようだ。ブラック企業予備軍が黒く染まってしまう前に改善を期待したい。
【代 源太郎】
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