2024年11月26日( 火 )

地震被災者にも元気を~九重・筋湯温泉で「日本一のうたせ湯」無料開放中

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 ゴールデンウィーク前半の3日間、九州はおおむね好天に恵まれた。この時期、本来なら大勢の観光客でにぎわう九州の観光地だが、14日から続く地震の影響と、交通機関や通行止めなどの状況により、観光客の姿は激減。予約客のキャンセルに、観光地は打撃を受けている。4月最終日となる30日、九重の代表的な温泉地である筋湯温泉(大分県玖珠郡九重町)で話を聞いた。

宿泊客キャンセルの影響は想像以上

utaseyu 筆者が到着したのは夕方の5時過ぎ。閑散とした静寂さに愕然とした。本来ならゴールデンウィーク期間中の夕方は、混雑している時間帯である。しかしこの日、温泉街を歩いてみても人影は少なく、ホテル・宿泊施設の明かりもまばらであった。「うたせ大浴場」の前で土産物店を営む甲斐商店さんは、「施設は平常通り営業しているのに、観光バスが来ない」と寂しげであった。

 筋湯温泉は標高1,000mの山峡にある。開湯は958年であり1,000年以上の歴史を誇る九州でも老舗の温泉地である。観光協会に加盟する宿泊施設は現在25軒。ホテル・旅館とは別に、300円で入れる共同浴場「うたせ大浴場」や男女日替わりの「薬師湯」「岩ん湯」がある。「筋湯」の名前の由来となったのは白壁造りの「うたせ大浴場」である。約2mの高さから落ちるお湯は、肩こりなど筋の病に効くということから「筋湯」と呼ばれるようになった。

元気な筋湯温泉で5月14日には花火大会を実施予定

 筋湯温泉観光協会会長の話によると、地震のあった4月16日の本震後、すぐに共同浴場を無料開放。5月14日までは無料開放を継続するとのこと。「地震により軽微な被害はあったものの、大きな被害はなく、ホテル・旅館は平常通り営業しています。5月14日(土)の夜には花火大会も実施する予定(雨天時は順延)です。地震で被災された方々をはじめ、筋湯温泉に来られる方に元気になってもらえれば」「ホテルや施設も大丈夫、スタッフも元気です」と明るい声で話をされた。

 明日から始まるゴールデンウィークの後半。地震で苦しんでいる被災者をはじめ、相次ぐ宿泊客のキャンセルに悩まされている熊本・大分の観光地をあらためて応援したくなった。

【吉武 輝実】

 

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