老舗企業の新たな挑戦。インド進出を加速 (後)
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福岡金網工業(株) 代表取締役社長 山本 崇裕 氏
――これから進出してくる海外の企業にも、営業が図れるということでしょうか。
山本 はい。このインドには、日系企業をはじめ海外の企業が進出しています。そのため、新しい販路の構築も必要ですし、いつまでもお取引先の工場の一部を使わせていただくわけにはまいりません。そのため今、新工場の建設を計画しています。予定としては17年春頃に着工し、早期の完成を目指して計画を煮詰めています。工場の大きさは計画中なので詳細は言えませんが、20人から30人の現地スタッフで生産ができる規模の工場としています。
この工場が軌道に乗るまで大変と思いますが、進出企業も多く、その需要も見込まれていますので、早く生産が開始できるといいと思います。また、インドはインフラ整備がまだまだ未熟で、これから事業が拡大していく要素はあります。これを見越して、インフラ整備事業の一角に弊社が参画できればと思っています。
製品の少量多品種化とコスト圧縮へ向けて
――会社経営のバトンを受け取り、新社長としての抱負や決意をお願いします。
山本 工場で働く社員の高齢化は顕著で、当然、若返りも図らなければなりません。加えて、労働環境の改善も行っていかなければならないと思っています。そこで既存の工場の機械化を、さらに図るべきと考えています。生産ラインの見直しと効率化を図りたいと考え、現在、産業用ロボットの導入も検討しています。市場の変化も見据えて製品の少量多品種化への対応を目指します。
今までは同じ製品をたくさん製造しても、売れていた時期もありました。ですが、市場のニーズが多種多様となり、少量での生産ラインでは対応できない部分も出てきました。そこで、生産ラインの効率化を検討しているのです。インドへの進出や資材供給といった新事業に加えて、今まで弊社を支えてきたメイン事業の効率化アップを軸に事業展開を図っていきます。その一方で、弊社ができること、できないこと、そのときの取捨選択が必要と感じています。
6月から社長として経営責任を感じていますが、弊社を支えているのは社員の皆さんであることを痛感しています。そして顧客のニーズに答えつつ、今ある人材や知恵などの人的資産や、金網生産を手がけてきたノウハウやアイディアを生かして、経営に活かしたいと思います。
(了)
【道山 憲一 】<COMPANY INFORMATION>
代 表:山本 崇裕
所在地:福岡市博多区吉塚1-3-11
設 立:1967年12月
資本金:3,000万円
業 種:金網製造業ほか
売上高:(16/5)約10億5,000万円<プロフィール>
山本 崇裕(やまもと・たかひろ)
1973年1月に福岡市で生まれる。97年4月、同社に入社。副社長などを経て、今年6月に代表取締役社長に就任した。関連記事
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