第99回ライオンズクラブ国際大会を振り返って～座談会（中）

　6月24（金）～28日（火）の５日間、「第99回ライオンズクラブ国際大会」が福岡市で開催された。海外と日本全国からライオンズクラブの会員約３万5,000人が集った同大会は、福岡市で過去最大のコンベンションとなった。
　国際大会は、本部であるライオンズクラブ国際協会（米国イリノイ州・オークブルック）が主催し、開催国がホスト委員会を立ち上げ、様々なイベントの受け皿を用意する。イベントは、福岡ヤフオク！ドーム、マリンメッセ福岡、福岡国際会議場、ヒルトン福岡シーホークなど、福岡市のコンベンションエリアなどで大掛かりに開催され、ホスト委員会も300名を超える人員で構成された。
　ホスト委員会は、337複合地区（全九州）のライオンズメンバーを主体に集められ、各委員会に配置された。委員会の中でも要職を務めた５人に集まってもらい、「福岡国際大会を振り返って」をテーマに座談会を開催した。

座談会参加者
伊藤　敦子氏（国際役員迎接・渉外副委員長/（株）ドナコーポレーション・会長）
大西　宏治氏（パレード委員長/（株）田川産業・代表取締役）
中川　法人氏（パレード副委員長/シナノ設備（株）・代表取締役）
郷原　茂巳氏（大会式典副委員長/（株）リベルト・代表取締役）
山本　泰輔氏（事務局次長・ＰＲ副委員長/（株）石の山本・代表取締役）

　――郷原さんは、大会式典委員会でドーム関連を担当されていますね。

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大会式典委員会副委員長・郷原茂巳氏

　郷原　私は、ドームで開催される総会の裏方を担当しました。ドーム内の誘導や警備、人員配置などを取り仕切ります。基本的には主催する国際協会本部から指示があるので、それに従った準備を行うのですが、日に日に指示が変わるため、その対応に追われていました。

　伊藤　ドームで誘導のシミュレーションを何度もしていましたね。

　郷原　26日は、初日総会が終わってからブルーインパルスの展示飛行があるので、２万人以上を30分間で外に誘導するというシミュレーションを行いました。実際にドームのアリーナ席やスタンド席から外に出るまでを、ゆっくり歩いて時間を計ったり、エスカレーターでの移動時間を計ったりといった作業を大会式典委員会で行うのです。当日は、語学ボランティアやお手伝いの会員の方など150名を動員して取り仕切りました。

　――山本さんは、三笠宮寬仁親王妃信子妃殿下のご対応もされていたとか。

　山本　国際大会に寛仁親王妃信子妃殿下をお招きいたしました。26日の初日総会でご祝辞をいただき、その他の色々なイベントも御観覧いただきました。

　伊藤　福岡国際大会に皇室の方がお成りになったことは、素晴らしいことです。

　――福岡市上空でブルーインパルスの展示飛行を見ることができるのは、奇跡的なことだと言われています。

　中川　私は、伊藤さんと一緒にブルーインパルスの担当でしたので、自衛隊や国土交通省、エアライン関係に何度も足を運びました。福岡空港は、日本でもワースト３の混雑空港です。滑走路1本当たりの発着機数は、日本一だと言われています。2011年に九州新幹線全線開通記念イベントでブルーインパルスが展示飛行するはずだったのですが、東日本大震災で自粛となりました。その翌年にもう一度飛ばそうと計画があったらしいのですが、国土交通省から却下されたそうです。自衛隊関係者の大半の方が「もう福岡では飛ばないだろう」と思われていました。そのためライオンズで飛ばせたことは、奇跡的だと言われているのでしょう。

　伊藤　実際にブルーインパルスが飛んだのは7分間ですが、18分間は空港がストップしていました。この18分の間に、もし警察や医療用の緊急ヘリが飛んだらブルーインパルスは中止になっていたかもしれません。

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パレード副委員長・中川法人氏

　中川　いくら事前準備が万全でも、一本の無線で中止だったんですよね。

　伊藤　ブルーインパルスが実際に飛ぶまでは、内心ドキドキしていましたね。都市の上空なので、普段から頻繁に緊急ヘリが飛んでいますから。

　――自衛隊のブルーインパルスや音楽隊を呼ぶのには、費用が掛かるのですか。

　伊藤　自衛隊として国民のためにというパブリックな仕事なので、金銭はかかりません。またこういった活動は自衛隊のＰＲにもなります。ブルーインパルスは、国民的・県民的な行事や、国際的な式典であれば段取りを踏むことで招聘できるのですが、交渉や手続きには大変な手間が掛かります。

　中川　福岡県警などは、本音のところ二度とやってほしくないでしょうね。ブルーインパルスが飛ぶと、交通が大渋滞するんです。一般道路でも高速でも、みんな車を止めて見ていたそうです。ドーム周辺は大渋滞でしたね。

（つづく）
【村重　珠実】