印刷・企画提案・市場リサーチまで行うプロモーションのプロ（前）

アド印刷（株）

攻めの姿勢でネット社会に挑む

　1978年の設立から、2018年には40周年を迎えるアド印刷（株）。地元福岡を中心として、大阪・東京などの大都市圏にも進出。企業の提供する商品・サービス、そして、企業そのものが持つ価値のアピールに尽力してきた。その方法は多岐にわたる。新聞に折り込まれるチラシや商品詳細を伝えるパンフレット、昔はマンション販売の販促用として、図面集の作成まで手がけていた。

<

同社オリジナル商品イークル

　紙を主な媒体として取り扱い、同社は実に多くの企業活動に貢献してきた。しかし、その紙に対する需要は、インターネットの普及にともない縮小を余儀なくされている。「現在、個人法人問わず、情報媒体として主力となっているのは間違いなくインターネットです。請求書１つとっても、紙で届くものより、メールで通知が来たり、カード会社、銀行のホームページにアクセスして、自分で確認するといった方式が増えてきており、ペーパーレス化の動きは顕著に見受けられます。私たちも、こうした時勢に対応したプロモーション展開を、常に考え続けていかねばなりません」（京谷秀則副社長）。

　無論、だからといって紙媒体を用いた広告制作を止めるわけではない。同社の手がける商品からは、紙でも企画力次第でおもしろい試みができるのだということが伝わってくる。たとえば、小窓の形状を自由に設定することで、外側と中身を連動させた絵づくりを可能にした、遊び心に満ちたオリジナル商品「イークル」を、世に送り出している。

　また、同社はネットの優位性を利用し、DM（ダイレクトメール）の直接入稿から差し出しまでを一括管理する作成・郵便代行サービスを行っている。ネットを介することで、依頼主は自分のイメージをかたちにして伝えることができ、その後も修正箇所を、現物を通じて指摘することができる。１つの広告に対し、同社と顧客とでイメージを共有しながらつくり上げていく。フェイス・トゥ・フェイスに近いやりとりが、時間・場所を選ばずにできるのは、ネットの強みだ。

　紙とネット、どちらか一方ではなく、どちらも活用したサービスを実施する同社。最新の機械や媒体の活用といった設備面の充実だけではなく、「ひらめき・アイディア」といった発想力を兼ね備えているからこそ、多くの企業から求められ続けているのだ。

（つづく）

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：田平　保男
所在地：福岡市博多区博多駅南5-20-30（本社営業部）
設　立：1978年７月
資本金：4,000万円
ＴＥＬ：092-472-4736
ＵＲＬ：http://www.ad-printing.co.jp

＜プロフィール＞
京谷　秀則
福岡県出身。高校卒業後、（株）ベスト電器にて営業販売を経験。同社が業界シェアナンバーワンへ向かう黎明期に携わる。その後、アド印刷（株）に営業職として入社。13年、取締役副社長に就任。