ブローカー・末広産業包囲網 変わる市役所、ゼネコンの対応
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既報の通り、これまで福岡市発注の公共工事における、杭打ちブローカー末広産業の受注実態を報じてきた。情報は業界を駆け巡り、同社のブローカー行為が知れ渡ることとなった。そのためか、公共工事を管轄する市役所やゼネコンのチェックの目も厳しくなっていると聞く。
「最近、末広産業が入る現場に市役所の職員がよく顔を出すようになった」と語るのは、基礎工事の同業者だ。下請けに丸投げせず、適切な人員を配置しているのか、という確認である。市役所もこれだけ報道されれば、動かないわけにはいかないだろう。つじつまの合わない施工件数に不信感を抱いているのは間違いないところだ。他からは「市の工事現場に、末広さんの責任者が常駐するようになった」との声も。これだけ市からマークされれば、人を出さないわけにはいかないのだろう。
そして、思わぬところに飛び火する。末広産業と同じ現場に入っていた下請の同業者は「役所がチェックに来た日、たまたまうちの責任者が体調を崩して休んでいた。うちの担当者不在を確認されたら、マズい。慌てて、呼び出し、事なきを得た」というこぼれ話もある。
ゼネコンの対応も変化を見せる。つい最近の話である。「役所工事でうちの落札が公表されて、いつものようにすぐに末広さんが営業にやってきた。これまでの付き合いもあるから、断りはしなかったが、必ず現場員を出すように覚書を交わした」とあるゼネコンはいう。
覚書に効果はあるのか。過去には、約束が守られなかったことも聞かれている。商社を挟むのを嫌がるゼネコンが末広産業を外しにかかった。メーカーからのごり押しに仕方なく、「確実に人を出せ!」と末広産業に約束させ、下請に入れた。しかし、責任者が顔を出したのははじめだけだったという。下請業者の丸投げ行為については、元請ゼネコンにも責任はある。慎重な業者選択が求められる。
【東城 洋平】
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