エミュー事業で日本の食と健康を変えていきたい(後)
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日本エコシステム(株)
アボリジニの万能薬
同社が16年5月に製品したのが「エミュー物語」と名付けられた化粧品だ。エミューの脂肪を用いた化粧品のシリーズである。エミューの油「エミューオイル」には、人体にとって有効と言われる成分が多種大量に含まれていることがわかっている。たとえば、α−リノレン酸やリノール酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸を豊富に含み、また、人体に成分が近いことから高い浸透が期待できるとされている。エミューのふるさと、オーストラリアでは抗炎症や皮膚の保湿、再生を促す医薬品として認定されているほど、人体に有益なものとして認識されているのである。また、べたつきが少なく、使いやすいといった特徴もあり、期待は高まるばかりだ。
エミュー物語はエミューオイルを使った化粧水をはじめ、さまざまなラインナップが予定されている。開発を担当している藤澤真一郎室長はエミューオイルの魅力を次のように指摘する。
「エミューオイルはオーストラリアの先住民族アボリジニたちにとっては万能薬として用いられてきました。草負けしたときのかぶれ、保湿などだけでなく、食用としても愛用されています。さらさらとした非常にきめ細やかなオイルで、使用感も非常にいいですよ。近年になって、エミューオイルが有効である理由が明らかになってきており、私たちは日本人の生活にマッチした製品を送り出すべく、日々開発に勤しんでいます。色々な商品を皆さまにお届けしたいですね」
日々の生活に役立ててほしいと願いを込めて、エミュー物語は生まれた。6次産業化で日本の食を変える
エミューの有用性はオイルだけではない。その肉も非常に優秀なものだ。エミューの肉は質の良いタンパク質と鉄分が多量に含まれており、1羽あたり約14kg(18カ月齢)のモモ肉をとることができる。鶏肉の場合、1羽からモモ肉が0.5kg程度、ムネ肉、ささみ、手羽などを合せても1,150g程度であることを考えると、大きさがわかる。食味は鶏肉に比べて淡白で、あっさりとしている特徴があり、カロリーは鶏モモ肉の4分の3程度、脂肪含有量はとりモモ肉の4分の1程度なのである。タンパク質の含有量は鶏モモ肉とほぼ変わらず、鉄分に至っては倍以上、エミュー肉の方が多い。ヘルシー志向の方々から人気を集めそうだ。同社ではエミューの繁殖・飼育が軌道に乗った後、エミューの肉の魅力を伝えられる加工食品の開発も進めていきたいとしている。
また、エミューの卵も特徴的だ。ソフトボール大もあるエミューの卵。大きさもさることながら、鶏卵とは違う点がある。表面が濃い緑色なのである。割ってみると、中にはいつも見る、黄身と白身が入っている(ただし、大きさは鶏卵の比ではない)。この卵は、目玉焼きにするもよし、卵焼きにするもよし、てんぷらに使うもよし、鶏卵とまったく同じ使い方ができる。食味は濃厚というより、少しあっさりした感じだ。
同社がエミュー事業を通じて目指しているのは、農業、製造業、サービス業が連携した6次産業化である。エミューを飼育し、食・健康・美の分野で商品化する。それをもとにしたサービスを提供する。それが日本の食を変え、文化を変え、より豊かな生活を後押しする。日本エコシステムが目指すもの、それは人々が豊かに暮らす「和」の世界なのである。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤澤 博基
所在地:福岡県筑紫野市二日市中央1-12-22
設 立:1997年6月
資本金:3,000万円
TEL:092-923-4233
URL:http://www.jpeco.jp/<プロフィール>
藤澤 博基
機器のレンタル事業を目的に、1997年に日本エコシステム(株)を設立。節電機器のレンタルで事業を拡大した。「和」を経営理念に掲げ、偏ることのない事業経営を目指す。趣味は読書。関連キーワード
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