福岡の都市形成に携わるアットホームな総合建設業者（前）

（株）未来図建設

福岡を代表する総合建設業者

　1902年10月創業、52年11月設立の（株）未来図建設。2017年には創業115周年、設立65周年を迎える。積み重ねられてきた同社の歴史は、そのまま、同社が福岡の街づくりにいかに貢献してきたかの指標でもある。中高層ビル・マンションをはじめ、商業・公共施設、戸建の設計から施工まで、その仕事はさまざまな彩に満ちている。以下、同社の作品を少しではあるがご紹介させていただく。

　中高層ビル・マンションでは、エンクレスト博多PREMIERやYMK薬院。商業・公共施設では、春日市立日の出小学校や、ショッピングモール「トリアス」などを手がけている。また、多くの医療・福祉施設の建設にも同社は携わっている。ほっとライフ伊都、メディカルケア南ヶ丘などを手がけたのは同社である。超高齢化社会の到来を受け、こうした医療・福祉施設の拡充は必要不可欠となっている。豊富な経験、高い技術力を持つ同社には、この分野で期待される役割も大きいはずだ。その他、ガソリンスタンドの建設や、建築後の建造物再生事業（ビル再生）にも取り組んでいる。

　戸建住宅事業に関しても、『M-collection』と名付けられた同社オリジナルブランドの注文住宅を企画・提案している。さらに、日本最大級の建築家ネットワーク「アーキテクツ・スタジオ・ジャパン（ASJ）」と提携し、顧客の家に対する想いや理想を最大限カタチにする住宅の提供に努めている。この取り組みは、『M-collection』を手がける「チーム未来図」とも相乗効果を生み、より良い家づくりを実現させている。同社はまさに、福岡を代表する『総合』建設業者なのだ。

時代の要請にも柔軟に対応

　現在、住宅・ビル問わず、建築物には周囲の景観との調和、ならびに建てた後のことまでを見据えた利用計画が求められる。そのため建設業に携わる企業は、今後ますます都市計画コンサルタントとしての側面が際立ってくるものと思われる。

　そうした状況のなか、同社は、早くから都市空間の整備に積極的にアプローチしてきた。エネルギー問題が叫ばれる頃には、顧客が安心・安全な生活を長く送れるように省エネ事業を展開。結露、カビを防ぐRC外断熱「ハイパール工法」を用いた住まいづくりを実施。この工法により、外気温に左右されない（＝冷暖房機器の使用を抑えられる）快適な室温維持が可能となるだけでなく、断熱材などの使用が減らせるため、建築費用も抑えることができる。また、高齢化社会が現実となった今、快適に過ごせる施設の建設にも力を注いでいる。

　ほかにも、同社は緑化事業に取り組んでいる。エコ活動の側面もあるが、緑化による最大のメリットは、やはり都市に憩いの場を生み出すといったことであろう。公共・商業施設では、屋上緑化と壁面緑化することで人が自然と集まるエリアとし、商業施設においては集客力アップにも貢献している。マンションなどの共住物件に関して言えば、緑化スペースを設けることによって、その場所を家庭菜園やペットの開放に利用できる。エコ、ケア、そして癒し。時勢と共に変わるニーズに的確に応えるだけでなく、その先を見越しアクションを起こし続ける同社。その地域社会への貢献は、福岡だけにとどまらず、東京、仙台にまで広がっている。これからも、同社の動きからは目が離せない。

（つづく）

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：菅原　正道
所在地：福岡市南区野間2-7-1
創　業：1902年
ＴＥＬ：092-511-1311
ＵＲＬ：http://www.miraizu.co.jp

＜プロフィール＞
菅原　正道
1954年、福岡市生まれ。福岡大学卒。79年、福岡金子組（現・未来図建設）に入社、常務取締役就任。91年、同社取締役副社長を経て、93年に同社代表取締役社長に就任。