2024年11月21日( 木 )

2016年伸びた企業 2017年注目企業~(株)グリーンクロス

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

堅実経営で高水準のROEを実現

kensetu 工事現場などに安全と快適さを提供する「総合安全商社」のグリーンクロスは、2016年も順調に業績を伸ばした。2015年4月期に売上高が初めて100億円を突破したが、16年4月期ではさらに110億円台にまで伸びた。もともと有利子負債が少なく財務内容は良好な同社だが、とくに注目すべきはROE(自己資本利益率)が高水準で推移していることだ。

 上場会社の評価基準として、近年になりROEの数値が盛んに取りざたされるようになった。ROEは自己資本でどれだけの利益を生み出しているかを表す数値であるため、経営上手、経営下手の物差しとして語られる。少ない自己資本で、より多くの利益を生み出す経営者が経営上手ということだ。高ROEといわれる、いわば「経営上手」の基準は10%以上だが、同社のROEは13%を超える。

 現在の代表取締役である久保孝二氏が社長に就任してから5年が経った。就任当初から「人材確保、人材育成には力を入れたい」と語ってきたが、今や社員数は500名を超える大所帯となった。どの業界も人材不足が進んできている昨今、良い人材は引く手数多の状態だが、そうでない人材も存在する。人材不足で悩む企業の多くは、人材教育が苦手だったり、育つまで待てなかったりという事情もあり、結局人手が足りないといった悪循環に陥りやすい。

 しかし同社では、社員の豊かさは顧客サービスや満足度に直結するという考えを持っていることから、人材が育ちやすい環境が整っている。創業者である青山氏の経営手腕、人材への熱の入れ方を、間近で見てきた久保社長が受け継ぎ、同社の財産としている。

 人的資源の強化を図る一方で、時代の変化に対応した戦略も採られている。15年9月に愛知県名古屋市の(株)トレードを子会社にした。トレードが持つインターネット販売におけるノウハウと、グリーンクロスグループが持つ販売拠点ネットワーク網とを共有し活用することでのシナジー効果で、グループとしての総合力強化が図られている。

 福岡からスタートし、今では全国区の企業へと成長した同社。17年4月期では120億円の売上高を見込んでおり、さらなる飛躍を遂げそうだ。

【緒方 克美】

<COMPANY INFORMATION>
(株)グリーンクロス
代 表:久保 孝二
所在地:福岡市中央区小笹5-22-34
設 立:1971年7月
資本金:6億9,726万円
売上高:(16/4連結)114億1,091万円

 

関連記事