2024年11月24日( 日 )

マンション管理の支配目論むモンスター理事の狙いは(後)

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kaigi2min マンションの管理組合理事として理事会を掌握し私物化するモンスター理事。修繕積立金などの運営費をターゲットにすることが多いが、このところその狙いが多様化している。

 A氏が理事を務める先の2物件(福岡市中央区、博多区)について確認したところ、中央区の物件からA氏が代表を務める(株)Hamaプランニングに2015年2月に工事が2件発注されていたことが判明した。駐車場とLED工事で金額は少額だが、A氏が恩恵を受けたことに変わりない。加えて、博多区の物件でも同時期に少額工事が発注されている。

 A氏は組合からの依頼だったと指摘するが、先述の理事長は発注自体を認知していなかった。工事受注に成功したことが、A氏の要求エスカレートの一因になった可能性がある。

 こうした管理組合を私物化するモンスター理事発生を防止するにはどうしたらよいか、マンション管理に詳しい安原伸人弁護士(安原・松村・我孫子法律事務所)は、「管理会社と連携することが重要です。その上で強硬な主張をする理事のチェックをすること。多数派工作に注意し、理事間で未然に対応すること。不正があったときは処分できるように規約などに明記することなどが挙げられるでしょう」と指摘している。

 賃貸物件はオーナーと住居者が異なることが多く、組合員同士が顔を合わせる機会はほとんどない。本業が多忙な人は他人に任せがちだ。それだけに管理組会の私物化は、どの物件にも訪れる危険がある。重要な資産を食い物にされないためにも管理会社や特定の理事にまかせっきりにするのでなく、議事録に目を通すなど自分の物件に注意を払うことが求められる。

(了)

 
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