エストラストが西部ガスの傘下に
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マンション開発販売会社、(株)エストラスト(東証1部上場、本社:山口県下関市)が西部ガスの傘下に入ることになりそうだ。同社は山口・九州で「オーヴィジョン」ブランドのマンションを展開しており、これまでに分譲マンションで3,891戸を販売している。
エストラストは1999年1月、現社長の笹原友也氏が下関市彦島江の浦町に設立。翌年6月、宇部市でオーヴィジョンマンションシリーズ第1棟の分譲を開始。しかしその後資金繰りにつまずいたため、2005年3月、(株)原弘産(東証2部上場、本社:山口県下関市)の連結子会社となった。笹原社長と原将昭原弘産社長(当時)とが姻戚関係にあったからだ。
原氏は、大学卒業後積水ハウスで経験を積み、1986年に不動産会社の原弘産を設立し、大証2部上場まで果たした人物だ。原弘産はその後順調に業績を上げ、アドバンスシリーズの分譲マンションの販売や賃貸物件の管理など不動産事業に加え、風力発電機のメーカーとしても全国で知られる存在となった。
原弘産はその勢いで、マンションデベロッパーの系列に属さない、いわゆる独立系の賃貸管理会社で最大手だった日本ハウズイング(株)(本社:東京都新宿区)に対し、経営統合を目的とした株式公開買い付け(TOB)の提案を行なった。1株あたり1,000円でTOBを実施し、過半数以上の株の取得を目指したが、2008年6月27日に開催された日本ハウズイングの株主総会で否決され、原弘産の資金繰りは急速に悪化。
そのため原社長の意向もあり、2008年10月、原弘産が出資していたエストラストの株式を笹原社長が買い取り、連結対象から外れた経緯がある。学歴社会の今時には珍しく、笹原氏は中卒ながら東証1部の社長に上り詰めた逸材なのだ。笹原氏に手を差し伸べた原将昭氏は心筋梗塞で、2011年3月10日、59歳の若さで亡くなっている。昔の面影がなく今もっとも経営状態の厳しい原弘産を救えるのは、笹原社長ではなかっただろうか。
しかしそのエストラストは、原弘産の連結子会社となった時と同様に、今回再び西部ガスからTOB(1株/800円)を受けて、その傘下に入ろうとしている。はたして笹原氏の宿命なのか。それとも力量の限界なのだろうか。
【北山 譲】
<COMPANY INFORMATION>
(株)エストラスト
代 表:笹原 友也
本 社:山口県下関市竹崎町4-1−22
設 立:1999年1月20日
資本金:7億3,603万
売上高:128億2,700万円
社員数:66人(いずれも2016年2月期現在)関連記事
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