エストラストが西部ガスの傘下に~その真相に迫る(2)
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笹原社長との面会ができなかった23日の午後3時過ぎ、エストラストは『西部瓦斯株式会社による当社株式に対する公開買い付けに関する意見表明のお知らせ』を適時公開し、西部瓦斯(以下ガス)の傘下に入ることを認める声明を発表した。
それによると
当社は、平成29年1月23日開催の取締役会において、以下の通り、西部瓦斯株式会社(以下「公開買付者」といいます。)による当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に対する公開買い付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買い付けに応募するか否かについては株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしましたので、お知らせいたします。
なお、本公開買い付けは、買付け予定数の上限が設定された、いわゆる部分買付けであり、当社株式の上場は維持される方針です。
と掲載されている、以下要点を抜粋していくことにする。
1.公開買付者 西部ガス(株)
2.買付価格 普通株式1株につき、800円
3.買付期間 1月24日~2月20日
4.買付予定株数 3,145,200株を上限。(3,145,200株×800円=25億1,616万円)
5.買付け方法 TOBで最大51%取得し、2月24日付で子会社へ
6.大株主の対応 筆頭株主である笹原友也エストラスト社長は1,950,000株(所有割合31.62%)を所有。その大半の1,930,000株を公開買付けに応じて売却する。
7.両社の大株主
8.その他 西部ガスは役員1名派遣する
上記がほぼ今回の概要といえるだろう。
概要から見えるもの
◆西部ガスはエストラストを子会社にするために51%の株式取得を目指すが、そのうちの31.30%(193万株)を笹原友也氏から譲渡を受け、残り19.7%をTOBによって市場から購入する
ことになる。◆両社の大株主名簿を見れば株主構成が全国区でないことがお分かりいただけると思う。エストラストのダントツで筆頭株主の笹原氏。その所有する株式のほとんどを売却するのだ。どれだけの元金を投入したかはわからないが、総額13億51百万円を手にすることになるのだ。
はたしてこの経営統合は今後どのようになるのだろうか。エストラストと西部ガスのそれぞれが描いている思惑の真相をこれから検証していくことにしたい。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】関連キーワード
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