ふくおかFG今期大幅赤字~熊本・親和の「のれん」代を一括償却
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ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は21日、傘下の熊本銀行と親和銀行の「のれん代」を一括償却するため、2017年3月期の当期純損益が548億円の赤字になる見込みだと発表した。ふくおかFGは400億円の当期純利益を予想していたが、日銀が昨年1月29日に発表した「マイナス金利政策」の導入によって経営環境が厳しくなっていることを踏まえ、株式価値の再評価を行った結果、両行ののれん代の未償却額948億円を全額一時償却するため、差し引き▲548億円の赤字予想に修正したのだ。大幅な赤字は2007年のふくおかFG設立後初めてとなるが、来年度以降、今後10年間に予定していた毎年92億円の償却負担がなくなるため、増益要因になるとしている。
21日のダウ平均株価が2万668ドル1セント(前日比▲ 237.85ドル)と大きく下落したことや、ドル円が111円台と円高になっていることが嫌気され、今日22日の日経平均株価(前場)終値も、1万9,065円37銭(前日比▲390.51円)と1万9千円割れ寸前となっている。
その流れを受けて【別表1】の通り、九州地銀の株価(前場終値)は大きく値を下げている。北九州銀行を傘下に持つ山口FGは前日比▲34円の1,245円。西日本FHは前日比▲28円の1,223円。九州FGは▲26円の719円など、すべての銀行がマイナスとなっている。その中でふくおかFGの株価は前日比▲3円の488円と小幅な下げとなっている。今回の一括償却による大幅な赤字決算は投資家から高い評価を受けているようだ。
ふくおかFGは十八銀行との経営統合を4月1日に予定していたが、10月1日まで半年間延期すると発表しており、今回の赤字決算の発表はこの経営統合を公正取引委員会に早く承認するようにとの催促しているようにも見える。はたしてその効果はいつ出るのだろうか。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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