これが「美しい国」のありさまか~「愛国者」たちの醜い立ち振る舞い
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さて、23日の籠池泰典・森友学園理事長の証人喚問で最初の山場を迎えた、いわゆる森友学園問題である。皆さん、4時間にも及んだ証人喚問をどうご覧になっただろうか。
まったくの茶番である、時間の無駄だという意見から、安倍政権がひた隠しにしていた緩んだ体質が露わになったという意見まで、さまざまな見方があるだろう。だがどちらに傾くにせよ、誰もが同意できることが1つあるのではないだろうか。それは、登場人物たちの行動にひとつのパターンがあるということだ。
籠池氏、安倍晋三首相、安倍昭恵夫人、それから松井大阪府知事など、この事件に関係する人々に共通する言動は、あまりにもあっさりと手のひらを返したということだ。安倍首相側は籠池氏とは無関係だ、会ったこともないと切り捨てれば、籠池氏側は視察に来た国会議員団を前に安倍総理の寄付金があると叫んで「抱きつき戦術」に出る。見苦しいの一言である。ことに証人喚問で籠池氏が語った、安倍昭恵夫人の「私がかかわったということは裏で何かあると疑われないように」というメールは、それまで同志であり、その思想に共鳴していたはずの籠池氏をまるで履き古した靴下のように切り捨てようとするものにほかならない。そもそも、この籠池氏の証人喚問自体が、籠池氏を晒し者にしたうえで「偽証罪があるから迂闊なことは言うなよ」という言外の脅迫のもとに、この問題をうやむやに葬り去ろうとした政府自民党側の差し金ではなかったか。トカゲのしっぽ切りそのものだろう。
安倍首相も昭恵夫人も、籠池氏の「教育方針に感銘を受けた」はずである。籠池氏が金科玉条として奉じ、幼稚園児に暗誦させていた教育勅語には「朋友相信シ(友人としてお互いを信じ)博愛衆ニ及ホシ(他人に博愛の手を差し伸べ)」とあるが、彼らはここに謳われている信頼と博愛の精神から、幼児よりも先に学ぶべきことがあるのではないだろうか。
いざ自分に火の粉がおよぶとなったら、盟友と呼んだ相手でも見捨てて遁走する。これが、彼ら愛国者が目指す「美しい国」で求められる立ち振る舞いなのだろうか。思わぬことから、自称「愛国者」たちの馬脚があらわになった事件である。
【深水 央】
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