2024年11月26日( 火 )

「サクラディア」の実質経営者の虚言?関係者が反論

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 既報の福岡市中央区桜坂の結婚式場「サクラディア」の「PROinnovations(プロイノベーションズ)(株)」の実質経営者である渡邉洋平氏が話した内容について、関係者や取引業者へ取材を行った。驚くことに、すべての取材先が渡邉氏の話した内容について否定しており、著しく相違していることがわかった。今回、同社の従業員だったA氏に事実関係について聞いてみた。

 14日に渡邉洋平氏から語られた現状について確認した。まず、「ある取引先から、『従業員A氏が一度会社を清算し、自分が社長となって運営する』という旨を取引先に話している情報が入った」ことから、信用毀損罪として警察に相談しているという点。これについて、従業員A氏に聞くと「事実ではない。会社を乗っ取ろうとは思ったこともない。入社して1カ月も経過していないのに、ありえない」と、否定した。

 A氏は2月15日に入社。もともとは旧知の同社元役員から、接客サービスでの経験が豊富なA氏の能力を見込んでの依頼だったという。しかし「雇用契約書の締結と、営業に必要な名刺の印刷を何度も要望したが、対応してもらえなかった」という。現在もその状態が続いており、「渡邉洋平氏が社長を辞任し、実父の渡邉光雄氏が社長に就任したことを聞かされておらず、現社長に電話で確認した」としている。

 仕事内容は、支配人としての事業計画やイベントなどの企画提案をはじめ、営業先や取引先回りが主で、事務所へはほとんど立ち寄らず、直行直帰だったという。事務職にはほとんど関わっていなかった。「外回りをしているなかで、いくつかの取引先業者から入金がないことを聞いた。事務所にいた際に、未払い業者が来て応対したこともある」という。

 渡邉氏は「A氏が会社を乗っ取るのでは」とまで考えるに至った理由として、「(A氏が)了解も得ず、支払い計画を決めていた」と語っていたが、A氏は「渡邉氏が職場を離れたり、連絡がつかない状態が続き、どう対応していいかわからぬまま、基本的には未払い業者の催促に対して、ご迷惑をおかけしていたというお詫びという意味で、何かあれば自分の方に連絡してくださいと話したまで。渡邉氏の連絡がつき次第という対応をした」と話した。また、渡邉氏が語った「(A氏が)他の式場に顧客を流した」という話についても、「連絡が途絶えたままだったので、お客様にできるだけご迷惑がかからないようにしたまで」と反論した。

 渡邉氏が語った内容とA氏から聞いた内容には大きく食い違いがある。記者の目からは一連の聞き取りで、入社して間もなく、ほとんどが外回り業務であり、また経営歴もなく、業界経験も浅いA氏が乗っ取ることができるとは考えにくい。取引先業者の声でも、そういった動きがあるという行動も話も聞かれず、むしろ「渡邉氏が他の理由で責任を押し付けたかったのでは」という声が聞かれるなど、渡邉氏側に不可解な言動や行動があったことが浮き堀りとなった。

 次回は取引先関係者との事実関係を明らかにしていく。

【特別取材班】

 

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