キューサイ、新社長就任による新体制の裏側に何が?
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キューサイ(株)(本社:福岡市中央区)はこのほど、代表取締役の藤野孝氏ほか取締役全員が辞任。前執行役員通販統括部担当兼通販統括部長の神戸聡氏が代表取締役に就く新体制を敷いたことで、業界内では物議を醸している。
取締役全員の辞任の理由としてもっとも多く噂されているのが、昨年9月にグループ会社の日本サプリメント(株)が販売する特定保健用食品(トクホ)6件について、関与成分が含まれていない、または成分含有量が規格値を満たしていないことが発覚。健康増進法に基づき、許可を取り消しとなったことと、今年2月14日に、「ペプチドシリーズ5商品」「豆鼓エキスシリーズ3商品」と称する食品に関する表示について、景品表示法違反で定められる優良誤認に当たるとして、措置命令を受けたことに対する責任を取ったかたちではないかと見る声が多い。
実際、措置命令直後の2月16日から3月31日までの間に、前社長の藤野孝のほか、コカ・コーラウエスト(株)側から就いていた取締役会長の柴田暢雄氏、若狭二郎氏、久保順子氏ら全7名のうち6名は2月16日付で一斉に辞任している。業界関係者からは「いくつか理由や事情はあると思うが、トクホ取り消し、行政処分を受けたことによる責任による役員の辞任はその1つと見られてもおかしくない。親会社がコカ・コーラ社ということから、ほかの通販会社とは違い、消費者の目や立場や重みも違うだろう。これは粛清的な人事ともいえるのでは」との声が聞かれた。
新社長に就任した神戸聡氏は、愛知県出身で南山大学卒業後、92年に(株)大広に入社したのち、02年に(株)ドクターシーラボへ入社。取締役、販売事業部長、情報システム担当などの要職を歴任し、15年11月キューサイに入社、今年2月までは執行役員通販統括部担当兼通販統括部長に就いていた。前代表取締役の藤野孝氏は、代表権のない取締役会長に就任しており、後見役として新社長を支える役割と見られる。
今回の役員人事は神戸新社長と藤野氏の会長職就任のほか、取締役に佐々木剛司氏が新たに就任するのみで、役員数は大幅に減少している。同社によれば、取締役の佐々木氏はコカ・コーラ社の出身ではないとのことで、前体制のような親会社から派遣された役員は1人も就いていない。これがどのような意図なのかは不明だが、先ごろ、親会社のコカ・コーラウエスト(株)もコカ・コーライーストジャパン(株)と経営統合したばかりだ。親会社を含め、新体制の動向が注目される。
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