独自システム構築で業務効率を改善へ～（株）グッデイ（後）

（株）グッデイ　代表取締役社長　柳瀬　隆志　氏

　――今後の取り組みがあれば教えてください。

4月にオープンした「GOODAY FAB DAIMYO」

　柳瀬　システム構築と同じくらい比重をかけているのが、ワークショップですね。これは頻繁に行っています。今年4月に、福岡市の旧大名小学校の校舎を活用した「FUKUOKA growth next」がスタートしましたが、そこに「GOODAY FAB DAIMYO（グッデイファブ大名）」を開設しました。レーザープリンターなどのデジタル工作機器を気軽に使えるようにしているのですが、もっといろいろな人にDIYに触れてもらえる機会を増やしていきたいと考えています。

　――デジタル工作機器導入の目的は？

　柳瀬　まず、14年9月に福岡県太宰府市で、デジタル工作機器とワークショップスペースを併設したファブラボ太宰府を開設しました。地域の方々にも足を運んでいただいております。旗艦店の長尾店にはGOODAY FABを導入しています。ここにもデジタル工作機器とワークショップスペースを併設しています。ワークショップも、「DIYをより身近に感じていただきたい」という思いで始めました。「DIYって、やりたいけどなかなか機会がない」と思われる方が多いと感じています。事実、同社ではさまざまなイベントを行っていますが、行うたびにDIYに対する潜在需要があることを実感しています。

子どもから大人まで好評

3Dプリンターも気軽に使うことができる

　――たしかに地方部は、身近にホームセンターがありますが、都心部にはありません。とくにマンションやアパートにお住まいの方々には、なかなか触れ合う機会がないと思われます。

　柳瀬　弊社では4月22日、福岡市役所の西側ふれあい広場で「野祭（やさい）」というイベントを行いました。文字通り、野菜と触れ合っていただきたいというイベントなのですが、我々はそこにブースを出させていただきました。サツマイモの芋掘り体験でしたが、開場前から行列ができ、2日間で280組の方が来られました。改めてモノづくり体験の場を含めて、そのような場を皆さまにご提供していかなければならないと思いました。

　――たしかに潜在需要がありますね。

　柳瀬　潜在需要の掘り起しといいますか、ワークショップを多く実施して、イベント情報などを積極的に発信していきたいと思いますね。

　――店舗ではさまざまな楽しい取り組みが行われていますね。今後の新店や店舗展開は、どのように考えられていますか。

　柳瀬　現在、北部九州を中心に63店舗あるのですが、年間10店舗ずつ既存店の改装を行っていきます。新店は、年間1～2店舗を予定しています。昨年は出店がありませんでしたが、今年は秋に、佐賀の基山への出店を予定しています。

　――大手と違い、多店舗展開は難しいですが、御社の場合は独自の取り組みで事業運営を行われています。今後の新たな展開に期待しています。

（了）
【矢野　寛之】

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：柳瀬　隆志
所在地：福岡県筑紫郡那珂川町松木2-61
設　立：1950年2月
資本金：5,000万円
売上高：（16/3）324億4,600万円

＜プロフィール＞
柳瀬　隆志（やなせ・たかし）
1976年、福岡県生まれ。95年、久留米大学附設高校卒業後、東京大学経済学部に進学。大学時代はボート部に所属した。大卒後、三井物産に入社。2008年に嘉穂無線（株）（現・（株）グッデイ）に入社後、1年間の店舗勤務、営業本部長、副社長などを経て、16年6月に同社の社長に就任した。