久留米商工会議所会頭が在籍する『幽霊会社』の正体(後)
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商工会議所は「公益団体」 その自覚はあるか
赤字企業、実質倒産企業の代表を退き、実体のない企業で久留米経済界の顔を張れるのも、懇意にする副会頭、議員らの存在があってこそ。確かに久留米シティプラザの開業は、さまざまな批判をものともしない類まれなリーダーシップを発揮する本村会頭にしか実現できなかったのかもしれない。ただしその一方、市が公表している初年度3億円以上の赤字は、実際にはそれを上回ることも予想されている。誘致を積極的に行った本村会頭に対しても、通常ならば会議所内から責任を問う声が上がってきそうなものだ。しかし、実際にはそれが一向に上がってこない。これは本村会頭を恐れている人たちが多いからと言っても過言ではない。来年1月に予定されている久留米市長選挙において、現職の楢原利則市長は自らの進退を明言していない。出馬すれば久留米シティプラザの責任問題を追及されてもおかしくはないだろう。だが、市長一人だけに責任を負わせてよいものだろうか?共に建設を推進してきたのなら、本村会頭もまた自ら責任を取って会頭職を辞する姿勢を見せても良いのではなかろうか。
商工会議所は、そもそも国から助成を受けている公益団体であり、ただの民間企業の寄り合いではない。我々の血税が投入されて成り立つ、公共性の高い団体であることを決して忘れてはならない。商工会議所は町の活性化のためにさまざまな取り組みを行っているが、周辺自治体や他の商工会議所議員からは「活性化どころか衰退している」とまで揶揄されている現実を直視する必要がある。そのようななか本村会頭は、飛行機はファーストクラス、ホテルは高級ホテル、送迎は運転手付の高級車を乗り回しているというのが定説だ。「多少言動が荒い所はありますが、根は仲間思いの本当に良い人で、久留米のことを本当に愛し、考えている人だとは思います。ですが、身の丈にあった振る舞いをすればもっと色んな人に尊敬されるのではないかと思います」とは元議員の弁だ。
議員の方々へ説明してはいかがですか?
久留米業務サービスがどのような会社なのか?正直な話、議員らは気にはなるだろうが、興味本位でも聞けない人が多いのではないだろうか。ならば一度、本村会頭は自らが会長を務める同社がどのような会社なのか、説明する必要があるだろう。現状がペーパーカンパニーならば、今後どのような事業を行っていく方針なのかという見通しでも構わない。ただ、赤字会社を事実上倒産させて銀行に債権放棄させ、ペーパーカンパニーの会長に就いて商工会議所の会頭をやっているというのは、久留米市民や久留米経済界に籍を置く議員からすればあまりにも恥ずかしい。会頭を務めるならば、市民や議員に要らざる不安を抱かせるのは厳に慎むべきだろう。
(了)
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