かつての業界盟主も失墜か キューサイ記者座談会(後)
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新たなヒット商品なくしてキューサイに未来なし
A しかし大したもんだな、長谷川常雄氏は。重病から助かって、そこから這い上がってくる。一般人ならそのままつぶれて終わりだろう。そこで青汁を飲んで身体を治したというのが原体験だからな。やずやの矢頭宣男氏と似ているところもある。矢頭氏は結婚式の司会やセールスマンなどさまざまな職業を経験しながら、にんにく卵黄や香醋で成功した。もともとは長谷川氏は(株)ニチレイのセールスマン。福岡に転勤してきて、独立して成功した。
B それでも最後までニチレイとは縁が切れなかったのもすごいですよ。
A 当初は「長谷川食品工業」として30億円くらいの売上でニチレイの冷食下請けをしながら、それだけでは終わりたくないと一念発起したのがきっかけ。その後激務による心筋梗塞になり、健康維持として青汁を飲んでの現在のキューサイがある。
このたくましさの源泉はどこかと考えると、長谷川氏の生い立ちにあり、金銭に対する見方がシビアになったらしいね。B でも、そのキューサイもヒット商品は出ない、不祥事で足を引っ張られるでは今後が暗いですね。
C 僕は通販会社をずっと見てきて、「7年寿命説」を唱えています。だいたいヒット商品が出て7年くらいで、後発の商品に追いつかれて市場価値が下がり、落ちていくことがほとんど。そこまではぐーんと伸びるんですけどね。類似商品やより安価な商品が出てきて、市場が荒れてしまう。ヴァーナルもそうでしたし、悠香もそうでした。やずやの香醋もえがおの黒酢に追いつかれましたね。本来は、ヒットしている間に次のヒット商品を出さなければいけない。
A その第二のヒット商品を、どの会社も出し切れていないんだな。
C そういう意味では、やはり長谷川氏時代のキューサイはすごかったわけですよ。青汁の落ち込みをコラーゲンで埋めて、次は化粧品を出して。通販業界で、2つ3つ主力商品を補えるような、ヒット商品を出していくのは本当に難しい。
B 今は青汁が商品として定着したから、やずやのように青汁は出しながら他の商品を開拓する会社も出てきました。または、えがおのように最初は黒酢で名前を売って、ネームバリューができてから青汁を売る。売上高100~200億円で、知名度が一定以上ある会社なら、青汁はだいたい10億円は売れますから。今や青汁は、ヒット商品を出した通販企業がついでに出すような商品になってきました。青汁以外にどんな主力商品を開拓できるかが、通販企業生き残りのカギでしょう。
A コカ社に買収されたことは、キューサイの商品開発力の強化には全くつながらなかった。
C 今の社長の神戸氏の就任にともなって、コカ社出身の役員は藤野氏以外全員辞任しました。こうなると、コカ社がキューサイを手放す障害は何もありませんね。結局浮上するための新商品もありませんし。
A コカ社さん、もうそろそろキューサイはお売りになってもいいんじゃないですか?
(了)
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