2024年12月23日( 月 )

九州北部豪雨、道路損壊で危機的状況の小石原焼

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通行制限中の211号線。まだ片づけられていない流木と、奥に窯元が見える
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 九州北部豪雨で大きな被害を受けた自治体の一つ、東峰村。今回の豪雨で大肥川も大氾濫を起こし、村の南北をつなぐ国道211号線は土砂崩れの影響で多くの箇所が通れなくなった。とくに東峰村役場から山手に位置する同役場小石原庁舎までの区間は、流木や土砂により通行が不能に。14日には緊急車両などは通行可能となったが、現在も一般車両の通行は原則禁止されている。

 その通行止めの区間に、この村の大きな産業の一つである伝統工芸「小石原焼」の窯元が多く集まっている。固定客も多く、夏場には避暑を兼ねて訪れる観光客も多いが、現在、行き交う観光客の姿は皆無である。いつもは観光客が足を運ぶはずの道の駅「小石原」は開店していたものの、駐車場は緊急車両で占められており、観光客は誰もいない。

 大きな被害を受けた小石原焼の窯元も多いと聞かれる。明るいニュースは21日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に福島善三さん(57)が指定されたことだろう。同日、東峰村は局地激甚災害の指定を受けた。村の中小企業の被害額は約11億円にも上るという。村の一大産業である小石原焼を復興させるためにも早急な復旧が行われたうえで、多くの観光客が戻ってくるのを願う。

【道山 憲一】

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