2024年12月22日( 日 )

先代への感謝と敬意を心に刻み 地場パーキング業界をリードする(後)

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セイワパーク(株) 清家 政彦 代表取締役社長

 自他ともに認める地場・駐車場業界のリーダーとして、駐車場を通じた都市空間のスマート化に貢献しているセイワパーク(株)。同社2代目の代表取締役社長の清家政彦氏は、同社の創業者であり父である清家謙次会長が作り上げたパーキング事業を、より進化させた事業構築を実践している。現状と今後の事業展開についてインタビューした。

(聞き手:弊社代表・児玉 直)

本業に徹すること

 ――話は変わりますが、現在の貴社の業績はいかがでしょうか。

 清家 おかげさまで、今期も順調に推移しております。その要因の1つは、建築事業・管理運営およびコンサルティング・メンテナンスおよびリニューアルの弊社の3本の事業柱が、総合的なシナジー効果を生み出していることです。1つの例として、メンテナンス事業のお客さまとしてマンションの管理組合があります。定期的なメンテナンスの仕事をいただく一方で、建て替えのニーズも発生いたします。その際には、建築事業で一緒に仕事する設計事務所と連携することで、より強い関係構築ができます。建築および建て替えは、設計から参加することが、受注の大きなポイントです。

 ――貴社の業績でとくに活発な動きがあるジャンルをお聞かせください。

 清家 現況は、病院・工場そして各社の社員・スタッフ用の駐車場建築の受注が、増加しております。マンションの駐車場受注も順調に推移しております。また、訪日外国人(インバウンド)の旅行でのレンタカーの需要が増加傾向にあるということで、コインパーキングのご利用が増えています。弊社のコインパーキングに導入されている、日本語の看板などにQRコードを介して翻訳する訪日外国人向けサービス『QR Translator』は、ご利用が増加している要因の1つかと思います。

 ――貴社の強みは、本業に徹した経営を実践されていることですね。

 清家 ありがとうございます。以前、駐車場を、サイドビジネスの位置付けで運営されていた企業も見られましたが、現在は大手を含めて専業で行っている企業がほとんどです。駐車場の仕事は、“片手間”にはできないということが証明されております。単なる土地の有効活用だけではない、自動車がより活用できるまちづくりの対策としての駐車場、違法・不法駐車対策、駐車場の設備機器・機械のメンテナンスによる安全・安心、駐車場の資産価値の向上のための提案など、駐車場の事業を通じてお客さまに喜んでいただき、そして地域の発展に貢献できるかを、真剣に取り組んでいくことです。今後も現状に満足することなく、常に変化と進化することに取り組んで参ります。

 現在の動向では、しばらくは建設への投資は上昇傾向とされていますが、その流れが恒久的に続くかどうかは未知数です。今後は、ストック型のビジネスの強化が必要であり、現在の弊社の管理台数は1万台超ですが、パーキングエリアの管理運営・保守メンテナンスの案件を増やしていくことが、これからの主要な取り組みになってきます。そのためには、技術開発を進めていき、データ集積の強化、AI化の検討、料金設定の精度を高めるなど、日々研鑽していくことが大切になります。

設立時の意志に回帰

 ――来年の2018年には貴社設立40周年を迎えます。改めて将来に向けた決意をお聞かせください。

 清家 まずは、今日までともに仕事にまい進してくださった社員とスタッフ、そして先代(清家謙次会長)に、心より感謝と敬意を表します。会社設立40周年を迎えるにあたって、弊社の理念『お客様の繁栄を願い、最高の品質と心のこもった行動で、お客様の満足を追求します』に回帰し、“福岡でNo.1の人材レベルと福岡でNo.1の待遇の会社”を目標に、社員も弊社も成長していきます。そのためには、社員も会社も自立すること、そして1人ひとりが駐車場のプロフェッショナルとして仕事に取り組んでいくことを大切にしていきます。

(了)
【文・構成:河原 清明】

現在、2010年に開業した自社運営のセイワパーク天文館(鹿児島県鹿児島市東千石町1-24)も好評営業中。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:清家 政彦
所在地:福岡市博多区東比恵2-1-3
設 立:1978年2月
資本金:5,000万円
売上高:(17/3)27億円

 
(前)

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