【2017衆院選・福岡】「排除」が分けた明と暗 緒方林太郎氏と山内康一氏(前)
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「公認はありません」。
10月1日夜。電話の向こうの声はあくまで冷たく、取り付く島もなかった。何を問いかけても、返ってくるのはその一言だけだったという。
電話をかけたのは民進党福岡県連代表(当時)の緒方林太郎氏。電話を受けたのは、民進党からの公認を受けて福岡3区で立候補を予定していた山内康一氏。希望の党・小池百合子代表が振りかざした「排除」の刃が、民進党の旗のもとで来たるべき総選挙に臨もうとしていた両者を分断した瞬間だった。翌10月2日の民進党福岡県連・臨時常任幹事会を終え、姿を現した山内康一氏の目は真っ赤に充血していた。この時のコメントを、Net-IB NEWSから引用してみよう。
「昨夜、緒方林太郎県連代表より『公認できない』旨告げられた。前原誠司民進党代表に対し、非常に憤っている。『前原代表に一任』ということになっているが、ここまでのことを一任したつもりはない。
希望の党からの公認は得られないが、どのような形をとってでも(出馬を予定していた)3区から、必ず立候補する。また、希望の党から『刺客』として3区に候補者が立てられると告げられた。これにも非常な怒りを感じている」この記事では触れていないが、山内氏は緒方氏の対応にも不信感を抱いたとコメントしている。冒頭の通り非常に冷淡で、何を聞いても「自分は決まったことを伝えただけだから」という返事が返ってくるばかりだったという。緒方氏としても、言葉通りに民進党の中央から下りてきた内容を伝達するだけだったとはいえ、「もう少し人情味のある対応ができなかったものか。民進党本部に造反しろとまでは言わないが、言われたまま伝えるだけでは伝書鳩並みだ」(緒方氏をよく知る記者)という声もあるとおり、これは県連代表としてあるべき姿だったのか、どうか。
山内氏と新井富美子氏(のちに無所属で6区から立候補)は常任幹事会終了後、臆せず取材に応えた姿が評価されたが、そこで男を下げたのが山本剛正氏。1区から8区への国替えというとても飲めない条件を突き付けられたとはいえ、雲隠れでは様にならない。豪放磊落なラガーマンというイメージとは裏腹の逃走劇だった。
(つづく)
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