【森友問題】新築の廃墟「瑞穂の國記念小學院」の今(前)
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まさに「新築の廃墟」という表現がしっくりくる。約1年前に世間を騒がせた、大阪市の学校法人森友学園が開校しようとしていた私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の現在の様子を見ての印象だ。
昨年2月、小学校の建設予定地である国有地が同法人に安価で払い下げられていることが発覚。小学校開設の許認可も絡めて、政治家の関与の疑惑が浮上するなどのスキャンダルが次々と噴出した。この一連の報道で頻繁に登場した「忖度」という言葉が、昨年の流行語大賞に選ばれたこともまだ記憶に新しい。
あの騒ぎから間もなく1年。今月1日には参議院予算委員会で、学園側との売却交渉をめぐる新たな文書の存在を財務省が認めるなど、国会で森友疑惑が再燃しつつある。問題の小学校はどうなっているのだろうか…。現地を取材した。
変わらぬ様子の現地
1月中旬、騒動の中心となった大阪府豊中市の「瑞穂の國記念小學院」の現地へと足を運んだ。昨年3月に訪れたときと比べて、大きく変わった様子はない。そこで感じた第一印象が、冒頭の「新築の廃墟」というものだ。レンガを思わせるような明るい茶褐色の外壁の校舎建物は、依然として完成間近の状態で放置。資材や備品なども校舎内外で置きっぱなしになっている。あれから1年近くが経過し、少なくとも風雨に晒され続けているであろう状況にもかかわらず、外壁などには目立った汚れや傷みもなく、相変わらず新築同然のきれいな状態が保たれている。まるでこの場所だけ、時間の経過から置き去りにされているかのようだ。
校舎の上空をひっきりなしに航空機が行き交う様子にも、特段変わりはない。微妙な変化としては、周囲を囲む工事柵のところどころに「国有地」の貼り紙が貼られていることぐらいか。
あと少し大きな変化として、小学校の隣接地に新たに「野田中央第2公園」ができていた。昨年3月に訪れた時点では、公園自体はすでに完成形に近かったものの、まだ開業前ということで、隣接する小学校ともども工事柵に覆われ、中に足を踏み入れることはできなかった。その後、同公園は昨年4月にオープン。広場のほかにいくつかのベンチとブランコやスイング遊具を備えた小規模な都市公園といったところだが、道路を挟んだ向かいにはさらに広い「野田中央公園」もあり、この第2公園の必要性はあまり感じられないのが正直な感想だ。こうして現地を訪れてみると、件の小学校は騒動の渦中にあった昨年3月のときとあまり変わらない様子ながらも、世間から忘れられたように、ただひっそりと佇んでいた。
(つづく)
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