ソフトバンクがアローラ元副社長の退任を巡り特別調査委員会(前)
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ソフトバンクグループの元副社長ニケシュ・アローラ氏の退任を巡り、取締役会が特別調査委員会を立ち上げたというニュースが飛び込んできた。最大のミステリーは、孫正義氏が後継者として招いたアローラ氏が、突然、退任したことにある。何があったのか。調査委員会は外国人部隊と国内派の抗争の実態をあぶりだすだろうか。
アローラ氏を追い落とした投資家たち
ニケシュ・アローラ氏は法外な報酬をふんだくったことで有名な人物だ。
インド出身で米Googleの元幹部だったアローラ氏は2014 年9月、孫正義氏の三顧の礼をもってソフトバンクに入社。15年6月、孫氏の後継者として副社長に就任した。ところが16年6月、突然、退任した。
在任1年10カ月。アローラ氏はベラボーな報酬を手にした。初年度の15年3月期の報酬は契約金を含めてなんと165億円。16年3月期は80億円の役員報酬。そして退職金が68億円。加えてアローラ氏に与えた関連会社株を107億円で引き取った。さらにアローラ氏名義で購入したソフトバンク株952万株は孫氏が買い取った。
なぜ、これほどまでにアローラ氏を厚遇したのか。異常というほかない。孫氏はアローラ氏に弱みがあるのか。そんな臆測を呼んだほどだ。アローラ氏を退任に追い込んだのは、外国人投資家たちの告発であった。
16年1月「株主の利益を代表している」とする米法律事務所ボーイズ・シラー・アンド・フレクスナーはアローラ氏の適性を疑問視する書簡をソフトバンクに送った。
書簡には、ソフトバンクの副社長と米国の投資会社シルバーレイクの幹部を兼務していたアローラ氏が、ソフトバンクのために行うべき投資と同様の取引をシルバーレイクのために行ったことは「シルバーレイクを利し、ソフトバンクの利益を損う恐れがある」とした。
これを受けてソフトバンクは2月に取締役会の独立役員で構成する特別調査委員会を設置したが、書簡の指摘については問題がないと結論を出した。その直後、孫社長が続投の意向を表明し、アローラ氏は16年6月22日に副社長を退いた。
さらに退任直後の6月30日、米証券取引委員会(SEC)が、アローラ氏が在任中に利益相反の行為がなかったかどうかをめぐってソフトバンクグループを調査したと報じられた。
SECの調査とアローラの突然の辞任は関係あるのでは、そう取り沙汰された。
それでは、なぜ、アローラ氏の問題が再燃したのか。ターゲットはアローラ氏ではない。(つづく)
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