9日に投票が行われたマレーシア連邦の下院選(定数222)で、92歳のマハティール元首相を首相候補とする野党連合・希望連盟が過半数を超える113議席を獲得。マハティール氏は10日、15年ぶりに首相の座に就いた。同国では、1957年の独立以来、初めての政権交代となる。
1981年7月から2003年10月までの22年間、同国の首相を務めたマハティール氏は、政府系ファンドの資金流用疑惑がもたれるナジブ前首相への批判を強め、自身が率いてきた与党を離脱。新党を結成し、そのほかの野党と選挙協力を行うなど、与党への対決姿勢を鮮明にした。マハティール氏のもと、野党連合は、汚職問題に対する国民の反感の受け皿となって支持を拡大した。
かつてマハティール氏は、経済成長を成し遂げるために勤勉な日本人に学べと「ルック イースト政策」を掲げた。しかし、今の日本の政治には学ぶべきところがないだろう。
「オトモダチ政治」や官僚のスキャンダルで政治不信を招いたうえ、自浄作用が働かないどころか、失言連発で問題を拡大させている与党。一刻も早い政治の正常化のための責任追及を行うべき野党は、大義よりも自己保身に執心し、大同団結の空気は微塵も感じられない。
高齢ながらも立ち上がったマハティール氏のもとに集い、政権交代のために一致団結したマレーシアの政治家とそれを支持した同国民に学ぶべきところは多いのではなかろうか。「ルック ウェスト」である。
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