「日本らしさ」を磨き、新たなフィールドで挑戦(前)
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福岡パッケージ(株)
パッケージ事業のトップランナー
福岡パッケージ(株)は、1972年設立・2000年設立のパッケージ製品企画・製造・販売業者。当初はフクパグループのダンボール事業部だった。現在代表取締役社長を務める庄嶋毅氏が、父の庄嶋厚生氏から経営権を買い取るかたちで分離独立。毅氏はいわば創業者という立ち位置となる。営業権買取の費用は金融機関からの融資を受けて賄い、自らが責任を負うという厳しい立場を選択した。毅氏の経営者としての覚悟を感じさせるエピソードだ。
取引先はピエトロ、明月堂、石村萬盛堂など福岡の地場で誰もが知る企業から、JA、雪印メグミルク、明治などのナショナルブランドに至るまで幅広い。仕入れ先への支払いを、ほぼ現金払いにしているのも特徴的。入金の心配をさせたくない、という手厚い配慮が、同社に対する仕入れ先のロイヤリティを高めていることは想像に難くない。原料価格が上がった場合も無理に自社でかぶらず、まずクライアントに相談するという。当該商品の取引を続けるのが困難だという場合も、専門的な見地から新たな提案を行うことで会社同士の取引を切らさない粘り強い営業スタイルが、今日の福岡パッケージを築いた。
工場には3DCADなど最新の設備を導入。顧客満足度の高い商品を生み出すための企業努力は惜しまない。独立から18年が過ぎ、16年からは海外事業にも進出。現在、アメリカ・ハワイとロサンゼルスに拠点を置き、福岡・沖縄と合わせて4拠点で営業を続けている。
海外進出という実績はひときわ目を引くが、実はあくまで顧客の相談に応じた結果によるというから面白い。庄嶋社長にハワイ在住の日系アメリカ人弁護士と付き合いがあったことが縁で、ハワイ進出を考える顧客に現地の家賃相場などの情報を提供していたのだという。やりとりを続けるうちに、今度は弁護士側から「ハワイのパッケージ業者をM&Aで買わないか」という話が舞い込んだ。「ならば」と話を詰めていたものの、ハワイ州の包装に関するルールが変更。プラスチック製包装紙(いわゆるレジ袋なども含む)の使用が禁止される、という事態が起きたのだ。
現在も施行されている、この「plastic bag ban」は、肉や魚など一部の食料品を除いて、小売店ではレジ袋の代わりにリサイクル可能な紙袋や、生物分解できる特殊なレジ袋のみが許可されている。違反した店には、1日100ドルの罰金、繰り返し行うと罰金は1,000ドル(約12万円)まで増額されるという厳しいもの。日本でもレジ袋の有料化は進んでいるが、ここまで厳しい「禁止」は例がない。同社のハワイ進出にも大きな障害となるかと思われたが、「食品容器については従来通り」となり、無事現地業者のM&Aの成立となった。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:庄嶋 毅
所在地:福岡県糟屋郡久山町久原工業団地2843
設 立:2000年2月
資本金:1,000万円
TEL:092-976-2202
URL:http://www.fukupa.co.jp<プロフィール>
庄嶋 毅(しょうじま・つよし)
1968年12月、福岡県生まれ。福岡大学卒。91年4月、地場広告代理店の(株)三広に入社後、93年にフクパグループに入社。2000年2月、父・厚生氏より事業部を買い取り、福岡パッケージ(株)を設立し、現在に至る。趣味はテニス、ゴルフ。法人名
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