堅い友誼でマンション開発の新機軸開く~西武ハウス×旭工務店 社長対談(前)
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西武ハウス(株) 代表取締役社長 豊福 清 氏
(株)旭工務店 代表取締役社長 吉弘 直彦 氏福岡のマンションデベロッパー業界で躍進する西武ハウス(株)。東区香椎浜に建つ「モントーレ香椎浜サーフタワーイーストウイング」は332戸すべて完売となった。2018年8月に創業35周年を迎える同社は、単なるマンションデベロッパーにとどまらず、街の景観全体をコーディネートする「都市デザイン企業」へと脱皮しつつある。その西武ハウスのマンション建設の大部分を引き受けているのが(株)旭工務店。創業1947年、地場ゼネコンの代表格であり、7期連続で売上高100億円を超える実績を誇っている。西武ハウス・豊福清代表取締役社長、旭工務店・吉弘直彦代表取締役社長にお話をうかがった。
(聞き手:弊社代表取締役・児玉 直)
リーマン・ショック後の9年を振り返る
――まずは、建設・不動産業にとって近年最大の節目となった、リーマン・ショックからの9年を振り返っていただきましょう。この9年、西武ハウスにとってはどんな時期だったでしょうか。
豊福社長(以下、豊福) たしかにリーマン・ショックは大きな出来事でしたが、弊社としてはかつてのバブル崩壊の時期と比べれば、赤字こそ出しましたがそこまでの打撃を受けずに切り抜けることができました。
バブル崩壊の際には、弊社が開発する物件の中心はモントーレ天神などの投資用マンションでした。これは他社さんもそうだったと思いますが、すでに工事が終わり完売しているマンションでも、お客さまが住宅ローンを組めなくなり8割がキャンセル、ということになりました。当然手付金も返さなければいけない。これはいうまでもなく異常なことです。大手さんもワンルームの物件はたくさんキャンセルされていましたが、西武ハウスとしてはこれが柱でしたからね。このときは取引のある金融機関、ゼネコンなど皆さまの協力を得て何とか乗り越えることができました。
本当に、この時期はこれからどうすれば良いだろうと先行きに悩んだものです。この経験から、ずいぶんと打たれ強くなったと思います。その反面、もっと攻めたほうが良いといわれる状況でも、どうしても堅めに行動するようになったのもこの時期からでしたね。いいかどうかはわかりませんが、これもバブルを乗り越えた経験だと思います。
――たしかに、バブルの時期は西武ハウスさんもずいぶんと苦戦されていました。
豊福 それに比べると、リーマン・ショックの時期はそこまでの影響はありませんでした。バブルの経験も踏まえて、実需中心の開発方針に転換していたためです。このときも、取引のある皆さまのご協力を得ることができました。とはいえ、リーマン・ショック真っ只中だったモントーレヴェルキューブシティ福岡空港駅(全260戸、2010年1月竣工)の販売は苦戦しましたね。
その後に竣工したモントーレラコルタユニバ通り(全188戸、13年6月竣工)は、好評を博しました。当時まだ福岡にはなかったシニア向け分譲マンションという企画が高く評価され、メインバンクの西日本シティ銀行さんを始め複数の金融機関の協力を得ることができました。本来こういう物件は完成後完売までに2~3年かかるのですが、半年で完売。同じ建物内にクリニックモールと介護事業所、レストラン、大浴場などを備え、今も中古の販売が出ると当初の分譲価格の1.2倍から1.3倍という高値がついて、1カ月以内に売れてしまうという人気ぶりです。このモントーレラコルタユニバ通りの施工をお願いしたのが、旭工務店さんです。
(つづく)
【文・構成:深水 央】<COMPANY INFORMATION>
■西武ハウス(株)
代 表:豊福 清
所在地:福岡市中央区長浜3-16-6
設 立:1985年7月 資本金:3,000万円
売上高:(18/2)116億5,444万円
TEL:092-718-0075
URL:http://montre21.com■(株)旭工務店
代 表:吉弘 直彦
所在地:福岡市博多区博多駅南5-10-13
設 立:1953年9月 資本金:1億2,000万円
売上高:(17/8)106億4,292万円
TEL:092-431-4131
URL:http://www.napsnet.co.jp関連記事
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