2024年08月29日( 木 )

【特報】偽装辞任か。国税圧力の鳩山二郎衆院議員秘書が、職員に復帰~鳩山事務所が認める

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

国会内で鳩山二郎議員を先導する、小澤洋介秘書
今年1月9日放映の「日テレニュース24」画面より

 「息をするように嘘をつく」という言葉があるが、この人物もそういった特技を持ち合わせているのか。

 宝石の架空取引が発覚した会社の消費税還付請求を巡り、議員会館(千代田区)に国税庁幹部を呼びつけて圧力をかけたとされる鳩山二郎衆議院議員(福岡6区)の元秘書・小澤洋介氏が、4月から同議員の事務所職員として復帰していたことがわかった。

 小澤氏は今年1月、国税庁への圧力問題を読売新聞が報じたことを受けて秘書を辞任。鳩山議員が同氏の辞任を公表するかたちで、問題の鎮静化を図っていた。データ・マックスでも3回にわたって消費税還付詐欺疑惑について報じている。

 しかし、小澤氏は辞任が公表された後も議員会館の鳩山事務所に顔を出し、要務をこなしていたという。その後の取材で、小澤氏は4月初めに正式に職員として復帰したことが判明している。複数の関係者が小澤氏の正式復帰を認めており、秘書辞任は「偽装」だった可能性が高い。

 6月7日、福岡県内の関係者が議員会館の鳩山事務所に電話して小澤氏に連絡を取ろうとしたところ、事務所側は「小澤は出かけております。戻りはわかりません」と答えたという。鳩山事務所に説明を求めたところ、小澤氏が事務所に所属していることは認めたものの、いつ復帰したかなどの質問には回答を保留。出稿までに連絡はなかった。

 小澤氏は5月16日、宝石の架空取引について取材を進めていたデータ・マックスの取材に対し、「私人になったのだから、答える義務はない」として取材を拒否していた。4月の秘書復帰が事実だとすれば、「私人」の主張も嘘だったことになる。

 小澤氏は、消費税還付詐欺疑惑のほかに金塊密輸犯とつながりがあることもわかっている。これだけ黒い噂の絶えない人物を偽装的に辞任させ、わずか3カ月足らずで「極秘」復帰させるとは、鳩山議員も同類、あるいは「お仲間」ととられてもしかたないだろう。

 既報のように、小澤氏の辞任が伝えられた後も依然、小澤氏は鳩山議員の資金管理団体の会計責任者のままだった。小澤氏が管理する鳩山事務所の「金庫」には、税金を原資とする政党助成金の一部も入っている。もはや小澤氏だけでなく鳩山議員本人の説明責任と、さらに進退まで含めた「責任」が問われる事態になっているのは間違いない。

【特別取材班】

関連記事