2024年12月29日( 日 )

企業間格差拡大 大手ホームセンター7社の8~9月中間決算

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 ホームセンターの企業間格差が拡大している。上場大手7社の8~9月中間決算によると、売上高は増収4社に対し減収3社、経常利益は増益3社に対し減益4社と明暗が別れた。市場が縮小傾向にある上、ドラッグストアやディスカウントストアの異業態との競争激化で全社が揃って伸びた時代が終わったことを示す。

 DCMホールディングスとナフコ、ケーヨーは減収減益だった。最大手のDCMは13店を出店したが(退店7)、既存店が不振で中間期としては2期ぶりの減収に。販管費を節減したが、粗利益率の悪化で小幅減益となった。

 ナフコは既存店がマイナスだった上、退店数が出店を上回り中間期では2期連続減収。経費を削減したが、経常利益は13.4%減に。

 不採算店閉鎖で15%減収と落ち込みが大きかったのが中部地盤のケーヨ―。昨年3月資本業務提携したDCMと今期から物流や一部商品の品ぞろえ共通化に着手したが、営業利益は収支トントン、経常は79%減に沈んだ。

 大手では業界7位のジョイフル本田が2017年6月期で2.4%の減収、10.3%の経常減益だった。

 ホームセンターは市場規模4兆円を目前に足踏みが続いている。日用雑貨はドラッグ、家具インテリアはニトリなどの専門業者に客を取られている。

 これまで大量出店で業績を拡大してきたが、市場縮小で店舗過剰が表面化、収益低下を引き起こしている。DCM、ナフコ、ケーヨーは不採算店対策に本腰を入れ始めたが、店舗閉鎖はシェア低下に直結するだけに両刃の剣となる。

 M&A(買収・合併)や提携などによる業界再編が避けられない見通しだ。

<大手ホームセンターの8~9月中間決算>
1:DCMHD・・・・・・・・営業収益2330(▲0.3) 経常利益123(▲0.6)
2:コメリ・・・・・・・・・営業収益1801(2.3)  経常利益124(8.2)
3:コーナン商事・・・・・・営業収益1688(4.7)  経常利益98(▲0.1)
4:ナフコ・・・・・・・・・売上高1153(▲1.8)  経常利益51(▲13.4)
5:LIXILビバ・・・・・・・売上高901(0.4)   経常利益55(9.0)
6:ケーヨー・・・・・・・・売上高610(▲15.0)  経常利益4(▲79.3)
7:アークランドサカモト・・売上高554(3.3)   経常利益58(5.2)
(注)単位億円、カッコ内前年同期比%、▲減)

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