トランプ大統領が敵視する『革新』実業家ベゾスが実践するアライアンス戦略(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年12月7日付の記事を紹介する。
世界の流通ビジネスを一変させた立役者といえばジェフ・ベゾス氏であろう。言わずと知れたアマゾンの創業社長だ。今やビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏を押さえ、世界一の大富豪の地位を手にしている。
1964年1月生まれ。今年、54歳だ。父親はサーカスの一輪車乗り。母親はまだ10代で、彼を生むと即離婚。再婚相手はキューバから単身15歳でアメリカに逃れてきたマイク・ベゾス氏だった。苦労して石油会社エクソンの技術者となる。その新たな父親の影響もあってか、幼い頃から技術に関心を持ち、コンピュータに魅せられた。
また、ベゾスは「祖父から大きな教えを受けた」と述懐する。曰く「祖父の教えは忘れられない。賢くなるより、人を大切にすることの方が難しい、と教えられた」。1994年、それまで勤めていたニューヨークの投資会社を辞め、シアトルの自宅ガレージから事業をスタートし、瞬く間に「アメリカン・ドリーム」を実現したネット販売の雄である。彼のモットーは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」。
急速に成長しそうなインターネットをビジネスに活かす方法を考え抜き、可能性のありそうな50近くの業種の中からまずは書籍販売を選択し、成功のきっかけを掴んだ。今では生活に必要なあらゆる商品を最低価格で最速で消費者に届けるシステムを構築している。最初に書籍販売に着目したのは、この分野の流通業界では最大のシェアーを持つ会社でも市場占有率は12%に過ぎず、新規参入者にとって大きな阻害要因とならないと判断したからだという。
しかも、大手の出版社や取次店が密集するニューヨークやボストンなど東海岸ではなく、そうした影響の及ばない西海岸のシアトルを創業の地に選んだのは、確かに「先見の明あり」言えるだろう。
というのはシアトルにはマイクロソフトやボーイングの本社(当時)もあり、ハイテク関連の技術者が選り取り見取りだったからだ。従来の書店での販売ではいくら品揃えを増やしてもスペースで陳列できる本の数には限界があった。しかし、ネット上であれば在庫もいらず、無限大の品揃えを誇ることができる。その点を生かし、ベゾスは「世界最大の書店」と銘打ったのである。その上、ネットビジネスであれば、販売店舗がいらないため、税金も免除されるという特典を享受できた。
ベゾス氏の成功の軌跡は常に消費者目線に寄り添った歴史といえる。第一の成功のステップは「本好き」に寄り添い、多様な品揃えから「安く、早く」を実現した。第二の成功は「ニュース好き」を虜にしたこと。アメリカの有力新聞「ワシントン・ポスト」を買収し、ケーブルテレビのニュースに飽き足らない「ニュースオタク」の取り込みに成功。
※続きは12月7日のメルマガ版「トランプ大統領が敵視する“革新”実業家ベゾスが実践するアライアンス戦略(前編)」で。
著者:浜田和幸
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