【2025年2月】行政処分や指名停止（62件）監督官庁・自治体公表の企業

　企業におけるコンプライアンスの重要性が増しており、経営上のリスクを低減するためには、さまざまな企業情報の収集と分析が不可欠な時代となりました。データ・マックスでは、監督官庁や地方自治体が公表した行政処分や指名停止などの情報をデータベース化し、毎月まとめたレポートを配信しております。

　2025年2月判明分は、①監督官庁による公表（全国対象）が18件、九州に特化した情報として、②福岡労働局や九州運輸局、自治体による公表分が44件、合計62件を確認しました。主な傾向とポイントをまとめ、企業リストを会員限定にて掲載します。本レポートが経営判断のリスクを学ぶ機会となれば幸いです。

2025年2月の法令違反事例分析レポート

• 1. 労働安全衛生法違反・最低賃金法違反

  　2月は労働環境に関する法令違反が多く報告された。建設現場での安全管理不備により労働者が死亡する事故が発生し、関係する企業が書類送検された。また、高齢者福祉施設では労働者への定期賃金未払いが判明し、最低賃金法違反として法人と代表者が書類送検された。これらの事例は、労働環境の安全確保と適正な賃金支払いの必要性を示している。

• 2. 食品衛生法・景品表示法違反

  　飲食業界では、ノロウイルスによる食中毒の発生が相次ぎ、複数の飲食店に営業停止命令が下された。また、食品表示法違反の事例もあり、スーパーマーケットが輸入食品の原産国表示を適正に行わず、指示措置を受けた。さらに、通信販売サイトでは、商品の価格や効果を誇張した表示が問題視され、景品表示法違反として行政処分が行われた。

• 3. 金融商品取引法違反

  　金融業界では、複数の企業が不正会計や投資家保護を無視した行為を行い、金融庁から課徴金納付命令および勧告を受けた。とくに、投資信託・資産管理業者は、顧客に誤った情報を提供し、不適切な取引を行ったことが問題視された。これらの事例は、投資家保護の観点から厳格な監督が求められていることを示している。

• 4. 下請法違反・公正取引違反

  　製造業において、下請業者に不当な取引条件を課した企業が公正取引委員会から勧告を受けた。具体的には、金型の無償保管や取引条件の一方的な変更が問題視され、企業は改善措置を求められた。また、大手メーカーが抱き合わせ販売を行い、独占禁止法違反の疑いがあるとして、確約計画の認定を受けた。

• 5. 運輸・建設業界の法令違反

  　タクシー会社や貨物運送業者では、安全管理の不備や勤務時間の違反が相次ぎ、文書警告や輸送施設の使用停止処分が行われた。建設業界では、公共工事の入札に関する不正や施工不備が発覚し、指名停止措置が取られた。また、建設業法の技術者配置義務違反で国から監督処分を受けた企業グループは、複数の自治体から指名停止を受けた。

　以上の事例は、下記の企業リストからの遷移で詳細を確認することができます。

　　

企業リスト（62件）